お金を準備するには、税制や手数料など有利な制度を目的別に使い分けるのがベスト。前回お話しした「教育資金」を長期で準備するには「つみたてNISA」の活用を考えましょう。
※NISAには年間120万円までの投資に対して5年間非課税となる一般NISAもありますが、ここではつみたてNISAについて説明します。
つみたてNISAは投資信託を積み立てで購入します。年間40万円まで積み立てられるので、毎月3万3000円まで積み立てることが可能です。例えば、児童手当を早いうちから積み立てると、教育資金を準備できますね。
預金や運用などで利益が出た場合、通常は運用益に対して20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAは積み立てた年から20年間は非課税です。
つみたてNISAの投資信託は、「安定的な運用のもの」「手数料が安いもの」と決められており、各金融機関でラインアップされた投資信託の中から選びます。
出典:「つみたてNISAの概要」(金融庁)
(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)
投資信託は値動きがあるため、10年以上先に使う予定のお金を準備するために利用しましょう。「教育資金」「住宅購入のための頭金(財形住宅の利用も可)」「家族旅行のため」など使用目的は自由です。また、積み立てながら一部だけ換金して使うことも可能です。
つみたてNISAで大切なのは長期で・コツコツと・分散投資※で積み立てることです。将来のための積み立てなので、今すぐ利益を出す必要はありません。つまり「できるだけ安定した運用をしながら、ある程度お金を殖やすこと」が重要です。
※分散投資は、「日本株式」「日本債券」「外国(先進国)株式」「外国(先進国)債券」を組み合わせる先進国4資産分散が基本。これに「新興国株式」「新興国債券」を組み合わせた6資産分散や「国内リート(不動産)」「海外リート」まで組み合わせて8資産分散など、自分の考えに合った分散投資を考えましょう。
基本は分散投資。それぞれの個別資産で運用する投資信託を組み合わせてもいいのですが、いろいろな資産がセットになっている「バランス型の投資信託」を1本選ぶと簡単です。どんな分散投資をしたいのか、どのくらい株式を組み入れたいかを考えて選びましょう。詳しくは、銀行や郵便局、証券会社の窓口で問い合わせを。ネット証券やネット銀行でも資料を取り寄せ、申し込むことができます。
コツコツ投資する方法だと、毎月決まった金額で買える数量を買うので、相場が下がっても心配いりません。例えば、「1万円で洋服1着を買う予定だったのに、バーゲンで安くなっていたので2着買えてラッキー!」なんてことがありますよね。これと同じで、相場が下がった時には投資信託をたくさん買うことになり、その結果、相場が上がった時に思った以上に利益がとれます。この買い方を「ドルコスト平均法」といいます。
積み立てを始めたら、「上がってもラッキー、下がってもラッキー」と気持ちに余裕を持って運用すること! これがお金を殖やすコツです。