リテラシーとは、「知識や判断力」のこと。子どものうちから身に付けておきたい「金融リテラシー」について、家庭でできることなどをお伝えします。
「親子でお金の話をする機会があまりない」と思っているパパやママも多いのでは。実際のファイナンシャル・プランニング相談には、小学生以上の子どもさんが同席する場合もあります。具体的な内容や予算については理解が難しいかもしれませんが、両親のお金に対する価値観や「家族の幸せのためにしっかりプランを考える」という愛情は、子どもに十分伝わっていることでしょう。
そこで、提案したいのが、月に1回程度の「家族作戦会議」です。家族で、日常の話題とともに、家計やお小遣いの話をしてみましょう。金融リテラシーを高める上で重要です。
毎日の慌ただしい中で話すより、「家族作戦会議の日」を決め、子どもやパートナーの考えや、意見もじっくり聞きながら、お金について話すことは、子どもにとっても楽しい家族行事となるのではないでしょうか。まずは夫婦間の価値観の共有や協力関係を築くことから始めるといいですね。
子どもの成長に合わせて、お金の種類や数え方から始め、お金の手に入れ方、使い方、貯(た)め方、殖やし方、寄付など、一緒に話し合いながら学んでいきましょう。
最初から自転車に乗れる人はいません。何度も転びながら、少しずつ上手に乗れるようになっていきます。お金の使い方や貯め方も同じです。
実践練習として、食事の献立と予算を決めて、子どもとゲーム感覚で買い物をしてみては。たとえ、予算通りに購入できなくても、その失敗から子どもは学びます。皆さんの中にも、子どもの頃、親と遠足のお菓子を買いに行き、予算の中で一生懸命考えたという経験をした人は多いはず。
レジャー施設や外食は実践の場として最適です。事前に予算を決めて、自分の判断で使ったり、我慢したりするなど貴重な体験を得られます。自らやりくりし、我慢と貯めることを何度も繰り返すことで、お金の上手な使い方を学んでいきます。
子どもにとって一番の金銭教育は、両親のお金に関わる姿勢そのものです。子どもは両親、時には同居の親族、近くの親しい人の影響を受け、お金との関係を学びます。
「教育資金」「住宅資金」「老後資金」―。この、人生の三大資金への取り組みを、ライフプラン作成から実行まで子どもも一緒に取り組むことをお勧めします。お子さんだけでなく、家族全員が金融リテラシーを身に付けられることでしょう。
「リテラシー」を高めるには、学び続けることが大切です。大人も子どもに教えることで、より深く、お金について考えることができます。今回は、子どものうちから金融リテラシーを習得するための方法として「家族作戦会議」を紹介しました。あまり難しく考えず、まずは家族のコミュニケーションとして取り組んでみてください。「夫婦が本音で話せる魔法のシート『○○家作戦会議』」というWEBサイトが、会議を開催する上で参考になりますよ。