春は入園や進級などで、子どもの物が増える時季です。この機会に家の中を整理したいと思っている人も多いのではないでしょうか。そこで、子ども用品の整理収納の考え方や、子どもに片付け習慣を身に付けさせる親の関わり方について、片付けアドバイザーの芹川由久子さんに教えてもらいました。
子どもがいると、洋服やおもちゃが年々増え、片付けに悩む家庭も多いと思います。また、子どもには「片付けなさい」と言っているものの、親自身が片付けが苦手な家庭もあるようです。
「まずは必要なものを厳選して物を減らすことが片付けのスタートです」と芹川さん。一つ片付ける場所を決めたら、まずは物を全部出して、必要な物だけを厳選する「仕分け」を行います。次に物の収納場所「物の住所」を決めます。使った後は必ずそこに戻すことを繰り返せば、散らかることはなくなるはずです。
収納するときは、スペースに空きがあるからといって詰め込み過ぎず、取り出しやすい「適正量」を保つことが大切です。目安は7割。これを守れば物を捜したり、選んだりする時間を大幅に減らせます。
子どもの見本になるためにも、親が意識を変えて、子どもと一緒に楽しく片付けに取り組んでいきましょう。
Q.子どもが自分で服を取り出せるようにするには?
A.普段着ている服は押し入れ上段の手前、オフシーズンの服は2階の洋服ダンスの中、頂き物のまだ大きい服は段ボールの中と、お子さんの服がいろんな場所に点在しているようですね。これではお子さん自身が自分の物を把握するのは難しい状態です。まずは、お子さんの物を1カ所に集めてみましょう。
部屋に余裕があれば、子ども部屋をつくるのがおすすめです。子どもの物は全て子ども部屋に戻す仕組みをつくることから始めてみましょう。まずは子どもの物を1カ所に集め、必要な物を仕分けします。思い出として保存しておきたい物は、思い出ボックスなどを用意し、その中に入るだけ残すといいでしょう。
必要な物を種類や目的別に分け、物の住所を決めていきましょう。収納する適正量は6~7割。まだ入るからといっぱいになるまで押し込んでは、取り出しにくくなり、片付けが面倒になってしまいます。収まらない物があれば、さらに仕分けして思い切って量を減らし、適正量を保つことが大切です。
Q.長男(4歳)がおもちゃを元の場所に戻してくれず、部屋が散らかったままです。
A.またすぐ遊ぶからと出したままにするのではなく、おもちゃを元の場所に戻したくなるような工夫や声掛けをしましょう。かごなどに入れる物も、ジッパー付きの袋や巾着に分けて入れておくと、次に使うときに出しやすく、物を紛失することもなくなります。使い勝手の良さを実感すると、子どもはおもちゃを元に戻すことの大切さに気付き、物を大切にする気持ちが芽生えます。
お人形遊びセットのかご、電車遊び用のかごなど、遊びごとに使う物をひとまとめにしておくと、そのかごを持って行くだけで目的に応じた遊びができます。お人形遊びに使うような細かいものは、100円ショップなどにある小分けボックスを活用して、さらに細かく分けましょう。