子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.16 山鹿子ども食堂「百華」

2021.11.17

 

 

 

困ったときに頼れる心のよりどころ
親のゆとりをつくる支援活動も

 

 

 

地域ぐるみで広がる助け合いの輪

誰もが集える地域の交流の場として、さまざまな活動を展開している「山鹿こども食堂百華」。もともと倉庫だった場所を自らの手で改装し、2016年に子ども食堂をスタートさせました。開設のきっかけとなったのは、代表の豊田真紀さん自身が子育てをしていた時、朝食を食べていない中学生やお弁当を持っていない高校生を見かけたこと。「勉強や部活を毎日頑張っている子どもたちが、気軽に温かいご飯を食べられて、『また明日も頑張ろう』と活力の出る場所をつくりたかったんです」と当時を振り返ります。

そんな豊田さんの熱い思いに多くの人が賛同。各自のペースで自分のやりたいこと、できることを協力するという形で、助け合いの輪が地域ぐるみでどんどん広がっています。「ここは企業や行政も協力的ですし、地域の皆さんや地元の高校生も手を差し伸べてくれてすごく恵まれているんです」と豊田さん。中には500円貯金を持って来てくれる人や、「老後の楽しみだから」と食堂のためだけに家庭菜園を始めて新鮮な野菜を届けてくれる人が3人もいるのだそう。

 

 

 

コロナ禍で頼ってくる親が急増
具体的なニーズが明確に

コロナ禍では、自粛生活の影響で「自分の時間が取れない」「食費が足りない」と、親の心が疲弊していくのを目の当たりにする中、「もう無理!」と頼ってくる人が増えたことで、より具体的なニーズが明確になったそう。

現在は、月2回のお弁当配布や企業・個人で余剰となった食品を必要な人に供給するフードパントリーの開催、生理用品の配布(不定期)のほか、小学生の職業体験学習、中学生の学習支援なども行っています。「これまで以上に『親御さんのゆとりをいかにつくってあげられるか』を意識していますね。ここのボランティアに関わる皆さんは、頼られて力になれることを生きがいに感じている人ばかり。困ったことがあったらいつでも気軽に頼ってほしいです」

今後の目標は、食事の提供だけでなく、ひとり親家庭の支援、災害時にも迅速に支援ができる日頃からの地域づくりなど活動の幅を広げていくこと。「自分たちの価値観に固執することなく、地域の皆さんと意見交換をしながら地域貢献ができたらうれしいですね」と語ってくれました。

 

 

 

 

 

 

山鹿こども食堂
「百華」困ったことがあったら、いつでも頼ってきてくださいね 代表の豊田真紀子さん

 

【山鹿子ども食堂「百華」】

住所/山鹿市山鹿1139-14
☎090(4342)2586

開催日時/第1土曜18:00〜19:30
第3土曜11:00〜13:30
利用条件/どなたでも
高校生以上300円、中学生以下無料
※現在、新型コロナウイルス感染防止のため食堂を休止し、第1・3土曜の17時~18時に弁当(要予約・1食100円)を配布中。対象は高校生以下とひとり親家庭の親

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