子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.1 「エンゼル子ども食堂」

2019.05.13

 

単なる「夕食の場」ではなく子どもたちの触れ合いの場に

慈恵病院が休診となる木曜午後、ロビーに小学生が集まり始めました。「今日も来たね」。スタッフが優しく声を掛けると「こんにちは」とはにかむ子どもたち。「エンゼル子ども食堂」のオープンです。

 

スタートは熊本地震直後の2016年4月28日。「全国で始まった子ども食堂の活動を知り、前年から開設準備を進めていたタイミングで地震が発生。1回目は『炊き出し兼子ども食堂』として、駐車場でバーベキュー会を行いました」と代表の上田留美さん。その後、毎週欠かさず開催し、延べ利用者数は1万人を超えるまでになりました。

 

通常は50〜80人程度の利用者。多いときは100人を超すこともあります。上田さんは「新学期は特に多いようです。新しいクラスメートとの『友達づくり』の場になっているのかも」と話します。子ども食堂が子どもたちの触れ合いの場としても機能していることが分かります。

専門の管理栄養士と調理師が作る旬の食材を使った料理です

 

 

集まる理由はさまざまそれぞれの子どもに寄り添う

当初は経済的な困難を抱える子どもたちへの支援として始まったものの、利用の理由はさまざま。「塾の前に立ち寄ったり、部活後の中学生が『腹減った』と入ってきたり。なかなか学校に行けない子どもが、別の友達に誘われて来ることもあります」

 

それぞれの理由があって集まっている子どもたち。「ここで夕飯を食べることで、子どもたちの笑顔が生まれ、また、家事と育児でいっぱいいっぱいのお母さんお父さんがホッとできるひとときが過ごせるのであれば、どのような理由であっても受け入れます」と上田さんは笑います。

 

片付けの後はミーティングも行います。食事中、様子が気になった子や初めて来た子の情報をスタッフ全員で共有して、継続的に見守っています。上田さんは「これからも地域の子どもを見守る目として、細く長く続けていきたい」と展望を話してくれました。

 

有志の職員が活動中

 

 

多くの協力があって続けられています。代表 上田留美さん

 

【エンゼル子ども食堂】

主催/医療法人聖粒会 慈恵病院
場所/熊本市西区島崎6-1
慈恵病院本館4階職員食堂
☎096(355)6131
開催日時/毎週木曜(16:00〜19:00)
利用条件/子どものみ対象、無料

 

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