2人目、3人目の妊娠・出産を経験することが多いキャロットの読者層。昨今はコロナ禍の影響で、立ち会い出産や面会の禁止など、妊娠・出産事情も大きく変化しています。そこで今回は、ここ1〜2年で妊娠・出産を経験したキャロットスタッフ3家族による座談会や読者へのアンケート調査を実施。ママ・パパの本音をリサーチしました。また、目まぐるしく変わる産院の現状もお伝えします。
妊娠・出産はママや家族にとって喜びである半面、不安や心配なこともたくさんあります。特にここ1~2年で妊娠・出産を経験したママの声を聴いてみると、「面会や立ち会い出産ができず寂しかった」「コロナの感染リスクを考えて里帰りできなかった」などコロナ禍ならではの悩みが多く挙げられました。また産後に関しては、周りのサポートの有無がママの心身に大きく影響していることも浮き彫りに。
特に産後のママは精神的にも不安定になりがちで、何でも一人で抱え過ぎると疲弊してしまうもの。夫や祖父母に相談して頼れることは頼りながら、行政や民間のサービスなども上手に利用し、産前・産後の暮らしを楽しんでいきましょう。
コロナ禍で柔軟な対応が求められる産院は、さまざまなケースを想定し、サービスや体制を見直しているそうです。福田病院の河上祥一病院長に話を聞きました。
当院での昨年の分娩数は、前年と比べると100件ほど増えました。これは移動制限が緩和され、里帰り出産数が増加したことなども考えられると思います。また、コロナ禍で立ち会い出産ができず、一人で出産する不安などもあったためか、無痛分娩を希望する方が例年の5倍ほど増えました。
医療機関においては県が発表する新型コロナウイルス警戒レベルに合わせた対応が必要なため、2週間ごとに対策会議を開き、立ち会い出産や面会の可否など決定したことをホームページでお知らせしています。これらの情報は日々変わるため、今決められていることも、変わる可能性があることをご理解いただかねばなりません。
院内の感染症対策としては、体調に不安のある妊婦さんがPCR検査を受けられるように検査機器を導入したり、外部から来る人との接触を避けられるように院内動線を見直したりしました。
また、これまで対面で実施していた妊娠時の検査についての説明や栄養面のアドバイスなどをタブレットで確認できるように動画を作成。同じく対面が基本だった母親・両親学級はオンラインでも対応できるハイブリッド型に移行するなど、出産への不安を少しでも軽減できるよう工夫しています。これらは、患者さんのニーズに合わせたサービスの向上にもつながるため、今後も継続していきます。