子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.2「ふじとみふれあい食堂」

2019.07.17

 

 


 

誰でも気兼ねなく遊びに行ける
地域コミュニティーの拠点として

 

子ども連れの親子、小学生、高齢者も交流できるランチルーム

2016年4月9日、熊本地震が起こる直前に発足した「ふじとみふれあい食堂」。保育園のランチルームを開放し、毎月1回、約20食分の昼食を提供しています。代表の鬼塚静波副園長は、「休日に、共働き世帯の卒園児がコンビニで、お昼ご飯代として渡されたと思われるお金で、アイスクリームやスナック菓子を食べているのを見かけたのです。休日に遊ぶところがなく、ご飯も食べていない。これは何とかしなければと思ったことが、ふれあい食堂を始めるきっかけでした」と振り返ります。

 

熊本地震の際は、次から次に駐車場に集まってきた家族37人を、10日間2階ホールに受け入れ、食事を提供したそうです。

 

それから約3年、毎月第2土曜のお昼になると、在園児の親子や近隣のファミリー、この日を楽しみにしている小学生などが次々に集まってきます。「時には、老人会が一人住まいのおじいちゃんやおばあちゃんに声を掛けて、連れ立っていらっしゃることもあるんですよ」と鬼塚副園長は話します。

 

 

 

企業、団体の協力でフードバンクを併設
県内子ども食堂への食材分配も

ふれあい食堂のスタートと同時期に、パッケージ不良や規格外で売り物にできない食品を企業や一般の人から寄付してもらい、支援が必要な人に無償で配布する「フードバンク熊本」を発足した同園。少しずつ、活動に理解を示してくれる団体や企業が増え、「今では、醸造所や青果市場など、県内だけでも約40社に協力してもらっています。集まった食材を、県内の子ども食堂や生活困窮者などに分配しているのですが、まだまだ足りていません。より多くの方にフードバンクへの理解と協力をお願いしたいです」と鬼塚副園長は訴えます。

 

年齢に関係なく、誰でも利用できるふれあい食堂。「顔は知っていたけれど、なかなか話し掛ける機会がなかった人と友達になれた」「転勤族で同じ年頃のママと知り合うきっかけになった」という利用者もいるそう。「この場所を、食を通し人と人がつながれる地域コミュニティーの拠点にしていきたい」と鬼塚副園長。「来月も待ってるよ!」。子どもたちを見送る優しい笑顔が、おなかも心も満たしてくれているようでした。

 

食を通した交流の場にしていきたいです 代表 鬼塚静波さん

 

【ふじとみふれあい食堂】
(フードバンク熊本)

主催/社会福祉法人 南苑会 熊本藤富保育園
場所/熊本市南区護藤町973
熊本藤富保育園内ランチルーム
☎096(357)5622
開催日時/毎月第2土曜(11:30~13:00)
利用条件/どなたでも(大人200円、高校生以下100円)
*20人の予約制

 

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