お金は消費のための支出(使うこと)だけではなく、いろいろな役割があります。①使う②ためる③殖やす④寄付するという4つの働きを学び、金融リテラシー(知識や判断力)を身に付けましょう。
生活のためにお金を使うことを「消費」といい、食費や家賃など生活に必要なものを指します。大切なのは、予算を立て、その範囲内で上手に使う計画的な消費です。お子さんが小学生になったら、月々でも各週でも、一定の期間ごとに決まった額のお小遣いをあげてみましょう。例えば月に500円のお小遣いで週に1回おやつを買いに行くとしたら、1回でいくらまで使えるかを考えさせることで、予算と管理を体験させられます。金額は、家庭の実情に合わせて設定しましょう。
生活必需品などのニーズ(必要なもの)と、嗜好(しこう)品や趣味などのウォンツ(欲しいもの)の違いを確認することも大切です。そこからお金を使う際の優先順位や計画性を身に付けることができます。
大きな買い物や出費に備えて、お金をためることを「蓄える」といいます。まずは、「家族旅行のために1年間で20万円ためよう」など、中長期的な消費の計画を立ててみましょう。この場合は、ニーズよりウォンツの性格の要素が大きくなります。計画的に蓄えて、ウォンツを手に入れる喜びを感じることができます。子どもの場合は、欲しいおもちゃのために、計画的にお小遣いやお年玉をためて、購入するのもいいでしょう。
将来の目標や喜びのため我慢することや努力することの大切さを身に付けることができます。
当面使う予定のないお金(余裕資金)を、資金を必要とする企業や公共団体に貸し付ける「金融」の仕組みを利用して、10年〜20年後の将来の自分のために殖やすことを「投資」といいます。株式投資などがこれに該当します。
まずは余裕資金をつくるために、家計の収支のバランスを改善する必要があります。そして、「貯蓄から資産形成へ」という金融庁が提唱するスローガンにあるように、銀行に貯金するだけでなく、お金を投資し殖やしていくことも老後の備えにつながります。子どもには少し早いかもしれませんが、NISA、つみたてNISA、iDeCo、DCなど税制優遇の支援策を学ぶことも、これからは大切です。
近年、自然災害が増加し、ボランティア意識が高まっているのを感じます。ただ、昨年からのコロナ禍で、遠隔地へボランティアに行けず、協力したいのにかなわないという場合も多くありました。そんな中、離れていてもできる「寄付」は、素晴らしい社会貢献です。
「ふるさと納税」もその一つ。寄付を通して、応援したい地域の役に立つ喜びを実感できます。所得税の寄付金控除も受けられるので、取り組みやすい社会貢献といえます。
人生を豊かにするためには、今回紹介した4つのお金の働きを知り、生かすことが大切です。子どもたちには、カードゲームやトランプなどで数字に慣れ、楽しく経験を積ませましょう。買い物の手伝いやお小遣い帳など、年齢と成長に応じたお金に関する知識を学んでいけるよう、パパやママが自ら楽しいお金の使い方を身に付け、子どもと一緒に前向きにお金と付き合っていけるといいですね。