資産づくりを始めたものの、十分な「貯蓄」をつくるにはどうしても時間がかかってしまいます。そこで「保険」や「ローン」などの金融の仕組みを上手に使うことも大切です。今回は金融商品のバランスについてお伝えします。
「貯蓄は三角(少しずつ増える)、保険は四角(損失を賄うお金がすぐに確保できる)」といわれます。十分な蓄えがない時期に、病気や事故で家計が一気に赤字へ、ということがあっては困ります。準備された社会保障(傷病手当・高額療養費・遺族年金など)で賄いきれないリスクへの対応として、保険は大きな役割を果たしてくれます。
十分な貯蓄をつくるにはどうしても時間がかかってしまいます。そこでなるべく少ない費用で保障を直ちに準備できる保険の出番となります。
保険には、「保障と貯蓄」の機能がありますが、マイナス金利の金融環境の中、今は「保障性」に重点を置き、「最少の予算で効率の良い保障を手配する」のがいいでしょう。
次は、貯蓄とローンのバランスです。人生の三大資金に「住宅資金」があります。これを全額自己資金で用意できますか? 一般的には2〜3割の自己資金を準備し、残りは住宅ローンを利用すると思います。
ローンを使うには利息を負担しなければなりません。利息を払う代わりに、すぐマイホームを手に入れることになります。国の支援策として低利の住宅ローンが用意されているので、上手に利用しましょう。
貯蓄の短所をうまく補ってくれる保険やローンですが、保険には病気やけが、死亡など使い道の制限があり、ローンは返済期間中ずっと、利息を払い続けることになります。3つの金融の仕組みの関係には以下の強みと弱みがあります。
これで分かるのは、オールマイティーな金融の仕組みはないということです。表にすると次のように2勝1敗の関係が見えてきます。
*保険には保険料という費用がかかりますが少ない予算で準備できるので◯にしています。
この金融の仕組みのバランスを理解して上手に使うことが、皆さんの家計改善の手助けとなり、ライフプラン上の目標達成を応援してくれます。
漠然と預貯金を続けるより、「万一のためのお金は保険で賄う」「住宅購入の際は低金利のローンを利用する」など、それぞれの強み・弱みをバランスよく組み合わせて、上手に活用することが大切です。また、それぞれの金融の仕組みに、「所得控除」や「税額控除」などの税制を通じて、国の支援もあります。ライフイベントに合わせて、情報を収集することをおすすめします。