2019.09.18

親子で笑顔に!頑張りすぎない食育のススメ 「食育」は子どもにとって大切なことと分かっていても、仕事や家事に追われ、ハードルが高いと感じる人も多いのでは。今回は、食育を親子で楽しむコツやレトルト食品で作れる簡単レシピなどを紹介します。

幼児食アドバイザー松川 恵さん(料理教室「ポルテシャンス」主宰)

 

日常生活で自然とできる「食育」

「食育」の目的は、「食を通して生きる力を育む」ことです。昔から食の大切さは家庭で伝えられてきましたが、共働きや核家族が一般的になった現代では、なかなか食育まで手が回らないのが現実です。

 

幼児食アドバイザーの松川恵さんに、食育の話を聞きに行ったのは、キャロママスタッフ(読者スタッフ)の石井友美さん。「育児書通りに行かずストレスを感じる親は多く、私も長男の離乳食が進まなくて悩んだ経験があります。食育をどう進めればいいのでしょうか」と問い掛けます。

 

松川さんによると、食育で大切なのは①毎朝、何か少しでも食べてエネルギーを補給する②食べ物を作る人に感謝する③一日一回でも親子で食卓を囲む―ことだそうです。「子どもと買い物に行って食材を見る、簡単な手伝いをしてもらう、というだけでも立派な食育です。食を支える人の存在や命の大切さなどに気付くきっかけになります」と松川さん。「お母さんやお父さんが気合を入れて頑張らなくても、日常生活の中で子どもの食育につながることはたくさんあります」

 

松川さんに親子で食を楽しむ“頑張りすぎない食育”のコツを教えてもらいました。今すぐできる食育のアイデアが見つかるかもしれませんよ。

 

栄養バランスも大切ですが、食を楽しむことが食育の第一歩です 作ることだけが食育じゃないんですね 松川さん(左)の話を聞くキャロママスタッフの石井さん

頑張りすぎない食育のコツ 子どもに食材を選んでもらう 子どもに「小さいトマトはどこにある?」「今日のカレーに何を入れたい?」などと尋ね、ゲーム感覚で食材を探してもらって。子どもが食事作りに関わることができます。鮮魚コーナーで生きた魚を見る いけすがあるスーパーでは生きた魚を目にする機会もあります。普段は切り身を見ている子どもたちに、魚が泳ぐ姿や命をいただくことを教えるきっかけになります。
調理の下ごしらえをさせてみる 米をといだり、葉物をちぎったり・・・。食材の手触りや香りを体感することは子どもにとって良い刺激になり、食をより身近に感じられます。家族で「楽しい」「おいしい」を共有する 子どもの「好き」は、「楽しい」の延長にあります。立派な料理を作ることより、子どもと食卓を囲み、楽しい時間を共有することから始めてみて。

外食や総菜は食育に悪い…?家族団らんの時間が増えると前向きに! 外食は、調理や片付けの時間が減り、家族でゆっくり食事ができるのがメリットです。たまには息抜きに利用して。持ち帰った総菜を食卓に出す際は、お皿などに盛り付けるのがおすすめ。トレーごと出すよりおいしそうに見え、食欲をそそる“おうちごはん”に変身します。

 

地域の子ども食堂をのぞいてみて 子ども食堂は、地域住民などが栄養のある家庭料理や温かな団らんを提供する食育の場です。家族での利用も増えています。地域の子ども食堂に行ってみませんか。

石井友美さん 希勇(きゆう)くん(8)勇瑠(たける)くん(6)

 

キャロママスタッフが挑戦!ベビーフード&レトルトフード アレンジレシピ 市販のベビーフードやレトルトフードに食材をプラスして、時短&栄養アップ! 松川さん考案のアレンジレシピにキャロママスタッフが挑戦してみました。

 

鶏肉のパスタソースがけ鶏肉に塩こしょうをふり、フライパンでソテーする。野菜を加えて一緒に炒め、火が通ったらパスタソースと牛乳(量はお好みで)を加える。全体に絡んだら完成。ソースの味が濃い場合は、トマトをプラスして。鶏肉以外に、魚やシーフードとも相性抜群 ! また、ご飯にソースとチーズをのせてオーブンで焼くとドリアに♪志水謙翔(けんと)くん(2)

 

ピーマンなど、野菜をたくさん入れました。子どももパパも喜んで食べてくれてうれしかったです。翌日は、余ったソースにチーズを入れて温め、ご飯に掛けて食べました 志水明子さん
(2歳&7カ月の男の子のママ)

 

柔らかつくねのあんかけ 豆腐、鶏ひき肉、かつお節をボウルに入れ、手でこねて丸く成形する。鍋にお湯を沸かし、①をゆでる。皿に②を盛り、ベビーフードとゆで野菜を上からかけて完成。 月齢に合わせて、つくねの中にレンコンやキノコを入れて食感を出しても◎。つくねに塩こしょうなどを混ぜて調味すれば、大人用メニューにも使えますよ。豊田凌久(りく)くん(1)サンドイッチは、ゆでてつぶしたジャガイモ、トマトを、市販のペースト(カボチャ&サツマイモ)のベビーフードに混ぜてパンに挟みました。超簡単です!

普段、手料理をあまり食べない息子もしっかり食べてくれました。調理時間はサンドイッチも含めて10分! 彩りもよく、料理が苦手な私でも簡単に作れました 豊田直子さん(1歳男の子のママ)

 

おさじさん(童心社)うさぎのぼうやと愛らしい笑顔の“おさじさん”が登場し、温かく美しい言葉とともに物語が進みます。半世紀もの間、世代を超えて愛されてきた絵本です。 対象0、1歳~松谷 みよ子 作/東光寺 啓 絵 パパ・カレー(ほるぷ出版)「ぎゅうにく角切りゴロンゴロン」「かたち色々これがパパカレー」。パパのカレーができるまでを、おいしそうなイラストと、リズミカルな文章で描いた絵本です。対象2、3歳~ 武田美穂 作たべることは つながること しょくもつれんさのはなし(福音館書店)食物連鎖について、自分たちが食事をすることを通して、地球上のいろいろな生き物とつながっているということがやさしい文と絵で描かれています。対象5、6歳~ パトリシア・ローバー 作/ホリー・ケラー 絵 くらた たかし、ほそや あおい 訳