2020.01.23

子育て支援事業を上手に活用しよう! 子どもの送迎や見守りなど、育児を一時的に援助してくれる事業があるのをご存じですか。今回は、「ファミリー・サポート・センター〈熊本〉」の支援内容などを中心に、代表的な支援事業について紹介します。

 

子どもの預け先があることが親の気持ちの余裕につながる

「ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)」という言葉を聞いたことがあるパパママも多いのでは。ファミサポは、子ども(生後3カ月~小学校6年生)を預けたい人(依頼会員)と子どもを預かりたい人(協力会員)による、会員相互の援助活動です。仕事や家事、用事などで、子どもを見られない親に代わり、協力会員が保育園の送迎や、預かりなどをしてくれます。

 

会員になるには、双方がそれぞれ講習を受けることが必須。事務局が講習会を開き、依頼内容に合わせて会員同士のマッチングなどを行います。

 

熊本市の事務局でアドバイザーを務める宮本裕子さんによると、協力会員は、子育て経験のある人や社会貢献をしたいという人がほとんど。中には「自分の子育て中は、仕事で子どもに関わる時間を持てなかったため、今の子育て世代をサポートしたい」と登録する人もいるそうで、「地域で子どもの成長を見守り、保護者の心の支えとなる身近な頼れる存在として活動しています。子どもが小学校を卒業しても、年賀状を送り合う家庭もあります」と宮本さん。

 

ファミサポ以外にも、病児・病後児保育やシルバー人材センターなど、さまざまにある子育て支援事業。宮本さんは「子どもの預け先があるという安心感がパパママの気持ちの余裕につながります。各事業の特徴を知り、状況に合わせて活用できるといいですね」と話していました。

 

ファミサポに講習会参加の申し込みの電話を入れる。 事務局が実施する講習で、利用方法やルールなどの説明を受ける(約2時間)。協力会員の紹介を事務局へ依頼し、協力会員と顔合わせする。必要なときに協力会員へ直接サポートを依頼する。活動終了後、料金を払う。

 

ファミサポQA ファミリー・サポート・センター〈熊本〉宮本裕子さん 子どもの送迎を頼むとき、チャイルドシートなどは準備してもらえますか? チャイルドシートやオムツ、着替えなど、活動時に必要なものは依頼会員が準備します。自宅で子どもを
見てもらえますか? 協力会員宅で預かるのがルールです。会員間で話し合い、双方の同意があれば、協力会員宅から徒歩圏内の公園や児童館、支援センターに行くことは可能です。保育所の一時預かりや民間のベビーシッターとの違いは? 有償ボランティアである協力会員が、一時的で軽易な子どもの世話を依頼会員に代わって行うことを、双方が理解した上で活動してもらっています。協力会員宅で預かるので、同居する家族とのふれあいもあり、家族の一員になったような雰囲気です。協力会員の都合がつかない場合は? どうしても協力会員と日程が合わず、サポートをお願いできないときは、時間を要しますが、事務局が別の協力会員を探し紹介することもあります。現在、協力会員が不足しています。「地域の子育て世代を支えたい」という方(熊本市在住のおおむね70歳まで)は、ぜひお電話ください。ファミリー・サポート・センター〈熊本〉  熊本市中央区黒髪3-3-10(男女共同参画センターはあもにい内)096(345)3011 HP http://famisapo-kumamoto.info/

キャロママ親子がファミサポの支援を体験 キャロママスタッフの豊田直子さん、凌久くん(1)親子が、お試しでファミサポを利用しました。その様子をリポートします。※今回は協力会員の岩本二美さん(熊本市中央区)にご協力いただき撮影しました 協力会員の家へ おやつや飲み物など、必要なものを事前に打ち合わせし、当日持参します。親に、子どもの体調や排便の有無、いつもと違った様子がないかをヒアリングし、活動の参考にします。預かりスタート すぐに、お気に入りのおもちゃで遊び始めた凌久くん。そばでは、岩本さんが常に声を掛けながら、凌久くんを見守ります。協力会員は子どもを預かる前に、「安全チェックリスト」に沿って、家の中や周囲の安全を確認します。ママがお迎え 豊田さんが凌久くんのお迎えに来ました。岩本さんが「乗り物のおもちゃに夢中でしたよ。自分で上手に手も洗えました」など、預かり中の凌久くんの様子を丁寧に伝えました。支援を体験して 約1年前に依頼会員に登録し、協力会員さんと顔合わせをしましたが、両親のサポートがあり、利用する機会はありませんでした。しかし、岩本さんに「協力会員は子ども好きな人が多いので依頼を待っているはずですよ」と言ってもらい、たまには甘えてみようと思いました。低いテーブルやイスを用意されるなど、安全面にも配慮してあり、安心して預けられました。(豊田さん)(左から)キャロママスタッフの豊田直子さん、凌久くん親子、協力会員の岩本二美さん

 

一時預かり事業

乳幼児を保育所で一時的に預かってもらえる。事前に実施施設で登録手続きが必要。数時間~数日の慣らし保育が必要なケースもある。

【利用料金の目安】

1日2000円程度(給食、おやつ代含む)※当日支払い
参考/「熊本市コールセンターひごまるコール」HP

 

病児・病後児保育事業

病気や回復期の小学6年生までの子どもを、病院や保育所に併設した専用スペースで、一時的に預かってくれる。要事前登録。はしかや、インフルエンザなどの感染症で病態の悪いときには利用できないことがある。

【利用料金の目安】

1日2000円(昼食代含む)※当日支払い
参考/「熊本市」HP

 

育児サービス

60歳以上の元気な会員が、保育園・幼稚園への送迎(徒歩または公共交通機関)や留守中の見守り(依頼主の自宅または託児会場)、産前産後の家事援助など、乳幼児~小学校低学年の子どもを対象にした育児援助を行う。事前に面談が必要。

【利用料金の目安】

1時間921円~
参考/「熊本市シルバー人材センター」HP