2021.01.29

見直そう!夫婦のコミュニケーション
 

子育てや仕事、家事に忙しいパパママが、夫婦のコミュニケーションを大切にしながら、一緒に育児を楽しむにはどうすればいいのでしょうか。今回は、キャロットスタッフ3人が、夫とのすれ違いへの対処法やコミュニケーションを円滑にするための工夫などについて語り合いました。また、「アンガーマネジメント」の活用法も紹介します。

 

 

キャロットスタッフプロフィル パート 秋吉あかねさん ハグなどの愛情表現も大切にしつつ、小さな不満など言いにくいことも夫に伝え、お互いを理解しようと努めている。 ヨガインストラクター志水明子さん 出産後、子ども中心の生活になり、以前のように夫に構ってあげられていない。夫と口論になることもしばしば…。看護師・育休中 後藤恵理さん 元々、夫婦の会話が少なかった上、夫が海外に単身赴任し、コミュニケーションの機会は減る一方。慣れないワンオペ育児に少々参っている。 

 

 

夫婦って難しい…
キャロットスタッフ座談会

 

 

 

― 夫婦の会話の現状について教えてください。

 

志水 最近の会話は、建築中の新居の書類確認など、業務連絡的な内容がほとんどです。でも、話せるのは子どもを寝かし付けた後。ヘトヘトの状態なので、夫に細かいことを聞かれてもあまり頭が回らず、「自分で住宅会社に確認してよ」と面倒になってしまいます。

後藤 夫が単身赴任中なので、必要に迫られた連絡のみで、コミュニケーションはあまり取れていないのが悩みです。

秋吉 夫婦2人でソファの定位置に座って、お互いに自分のスマホを見ながら何げない出来事を話したり、お得なクーポン情報を教え合ったりしています。そこから週末の予定が決まることも。毎日1時間くらい話しています。

後藤 そういう感じ、うらやましいです。夫は一見話を聞いているようだけど、ちゃんと受け止めてくれているのか…。後で確認しても忘れていることが多く、がっかりしてしまいます。

秋吉 後藤さんは子どもが1人目でまだ小さいから、夫に対して期待値が高い分、その落差を大きく感じてしまうのかもしれないね。

 

 

 

― 夫とすれ違いを感じることは?

 

秋吉 よく晴れた日、夫に洗濯物干しを頼んで外出し、家に帰ったら部屋干しだったこと。その時は「外に干してくれたら、夕方には乾いて、夜にまた洗濯できるんだけど」と、夫との感覚の違いに打ちのめされました。込み上げる怒りの感情を抑え、冷静に伝えました。

志水 夕飯を作り終えた後に「晩ご飯いらない」と連絡してきて(怒)。いらないと分かっていたら、作るメニューも大変さも違うのに、そこを理解していない。今は、リビングのカレンダーに、「夕食不要」「仕事休み」などと書いてもらっています。相手の立場に立って考えるって大事ですよね。

後藤 子どもの節句などの行事について、段取りや義実家への連絡は全て私任せ。私は2人で話し合って決めたいのですが、「恵理の好きなようにすればいい」と丸投げ状態なんです。ちょっとの時間でいいから真剣に向き合ってくれたらいいのに…。何だかむなしいです。

志水 私は任せてもらった方がうれしいけれど、相談に乗ってほしいときもあるよね。どちらにしても、義実家への連絡はパパにしてもらえるとありがたいね。

 

 

 

― 夫婦のコミュニケーションを円滑に
するために意識していることは?

志水 笑顔でいることです。夫が会社の上司に「調子が悪いのか」と心配され、「最近、妻の笑顔を見ていない」と答えたと聞いて、子どもの世話に追われ、夫を朝見送ることもできていなかったと反省しました。私の笑顔で元気になってくれるのなら、もっと笑顔でいてあげたいと思いました。

秋吉 けんかをしても、翌朝「おはよう」と声を掛けるようにしています。また、“小さなモヤモヤ”をためずに伝えるようにしています。うちはお互いに愛情表現やハグもあるので良好な関係を保て、マイナス面も言いやすいのかも。小さなことでも伝え合うことがお互いの違いを認め、妥協点を見つけるために大切だと思います。

後藤 2人ともすてきですね。話を聞いて、お互い相手に期待し過ぎないことと、伝えたい気持ちは諦めずに伝えた方がいいと分かりました。今は夫とは離れているので、冷静になって私たち夫婦のコミュニケーションの在り方を見つけていこうと思います!

 

 

座談会から分かった夫婦円満のキーワード 冷静に気持ちを伝える文句にならないように、「私はこうしてほしい」「私はあなたの〇〇な態度が悲しかった」など、主語を自分にして冷静に伝えてみましょう。相手に直接言うのが苦手な人はLINEなどで伝えてみて。ハッピーアクションを取り入れる 笑顔、ハグ、愛情表現など相手も自分も幸せになる行動を意識的に取り入れよう。相手に期待し過ぎない 夫婦とはいえ、育ってきた環境の違う2人の考えや行動が違うのは当たり前。相手に期待し過ぎず、欠点よりも、良いところを見つけるよう意識してみよう。

 

 

 

夫婦のムダな衝突を回避!アンガーマネジメント活用法 良好な夫婦関係を築くために、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」を役立ててみませんか。アンガーマネジメント講師の池田福美さんに話を聞きました。お互いの“怒りパターン”を伝え合って 「アンガーマネジメント」とは、自分の怒りの発生パターンを知り、その怒りの度合いをコントロールしていくものです。怒りの感情は“ライター”に例えることができます。人は「自分にとっての当たり前」=「こうあるべきという欲求」が裏切られたときに怒りの“着火スイッチ”が入り、怒りの炎が燃え上がります。怒りのスイッチを“べき”といいます。例えば、「テーブルの上は何もない状態にしておくべきと思っている」妻と、物があっても気にならない夫の場合、夫は妻の“べき”を理解できません。“べき”に正解・不正解はありませんが、だからといって、その違いを放置しておくと、小さなイライラが蓄積され、けんかの種になります。一緒に暮らしていく夫婦だからこそ、お互いの持つさまざまな“べき”を伝え合うことが大事です。これまでの生活を振り返り、自分の“べき”を洗い出し、相手に伝えてみましょう。「私はテーブルの上は何もない状態にしておきたい」と伝え、気にならない夫との妥協点を決めると、イライラを小さくすることができ、相手の不機嫌な理由も分かりやすくなります。また、イライラして夫や妻とぶつかってしまう前に、「今、イライラしているから、このままだと八つ当たりしそう。気分転換してくるね ! 」と素直に伝え、“怒りを燃やすガス”となる不安やストレスを上手に減らしましょう。ご機嫌な状態に保つことが、怒りの度合いを小さくするポイントになります。イライラしたらスマホなどにメモをして、自分の怒りパターンを把握しましょう!日本アンガーマネージメント協会所属池田福美さん2人の子育て経験を基に、一般向け講座やキッズ向け講座など、熊本市を中心に活動している。

 

 

 

 

おすすめ本 妻のトリセツ 著:黒川 伊保子 出版社:講談社+α新書 脳科学の立場から女性脳の仕組みを前提に妻の不機嫌や怒りの理由を解説し、夫側からの対策をまとめた、妻の取扱説明書です。夫の気のない返事にウンザリしたら、本書をプレゼントしてみて。同著者の『夫のトリセツ』も併せて読んで、お互いの理解を深めてみよう! 不機嫌な妻 無関心な夫 うまくいっている夫婦の話し方 著:五百田 達成 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン 夫婦だから、お互いのことはよく分かっていると思い込んでいませんか。夫婦だからこその「相手に気持ちを伝える大切さ」を説いています。在宅勤務でイライラしてしまう2人にも、30年先も尊敬し合える関係でいたい2人にも、今すぐ使えるヒントが満載の一冊です。