2021.03.17

親子で楽しくステップアップ 子どもの片付け習慣

 

 

 

春は入園や進級などで、子どもの物が増える時季です。この機会に家の中を整理したいと思っている人も多いのではないでしょうか。そこで、子ども用品の整理収納の考え方や、子どもに片付け習慣を身に付けさせる親の関わり方について、片付けアドバイザーの芹川由久子さんに教えてもらいました。

 

 

物を減らすことから始めてみよう

子どもがいると、洋服やおもちゃが年々増え、片付けに悩む家庭も多いと思います。また、子どもには「片付けなさい」と言っているものの、親自身が片付けが苦手な家庭もあるようです。

「まずは必要なものを厳選して物を減らすことが片付けのスタートです」と芹川さん。一つ片付ける場所を決めたら、まずは物を全部出して、必要な物だけを厳選する「仕分け」を行います。次に物の収納場所「物の住所」を決めます。使った後は必ずそこに戻すことを繰り返せば、散らかることはなくなるはずです。

収納するときは、スペースに空きがあるからといって詰め込み過ぎず、取り出しやすい「適正量」を保つことが大切です。目安は7割。これを守れば物を捜したり、選んだりする時間を大幅に減らせます。

子どもの見本になるためにも、親が意識を変えて、子どもと一緒に楽しく片付けに取り組んでいきましょう。

 

 

 

 

 

 

片付けの心得3カ条❶ 物の住所を決める❷ 出した物は必ず元に戻す❸ 7割収納をキープする 親子で一緒に収納を楽しみましょう!片付けアドバイザー 芹川由久子さん きれい好きな夫の影響で片付けに目覚め、整理収納のセミナーや勉強会で学び、独自の片付け方法を考案。片付け相談室を毎月開催するほか、個人宅でカウンセリングも行う。詳しくはインスタグラムyukko_okatazukeで。7歳の女の子の母。

 

 

 

比較的スペースに余裕があるので物がどんどん増えてしまい、収拾がつかないのが悩み。豊田直子さん 凌久(りく)くん(3) 来客前に慌てて掃除し、おもちゃを移動させている現状をなんとかしたい。志水明子さん 優翔(ゆうと)くん(2)

 

 

 

 

お悩み❶ 子ども服の収納

Q.子どもが自分で服を取り出せるようにするには?

A.普段着ている服は押し入れ上段の手前、オフシーズンの服は2階の洋服ダンスの中、頂き物のまだ大きい服は段ボールの中と、お子さんの服がいろんな場所に点在しているようですね。これではお子さん自身が自分の物を把握するのは難しい状態です。まずは、お子さんの物を1カ所に集めてみましょう。

 

種類別に分けてあるものの、量が多くて取り出しにくい状態です。子ども服を1カ所に集め、箱を使って種類ごとに整理しました。

 

子ども専用のスペースを用意し
全て戻す仕組みをつくろう

部屋に余裕があれば、子ども部屋をつくるのがおすすめです。子どもの物は全て子ども部屋に戻す仕組みをつくることから始めてみましょう。まずは子どもの物を1カ所に集め、必要な物を仕分けします。思い出として保存しておきたい物は、思い出ボックスなどを用意し、その中に入るだけ残すといいでしょう。

必要な物を種類や目的別に分け、物の住所を決めていきましょう。収納する適正量は6~7割。まだ入るからといっぱいになるまで押し込んでは、取り出しにくくなり、片付けが面倒になってしまいます。収まらない物があれば、さらに仕分けして思い切って量を減らし、適正量を保つことが大切です。

 

たんすの引き出しの整理に空き箱を活用 お菓子や靴の空箱を仕切りにして、下着や靴下などを分けて入れると、どこに何があるのか一目で分かり、取り出しやすくなります。 押し入れの収納は可動式に 押し入れは奥行きがあるので、一度収納してしまうと、奥の物が取り出しにくくなります。重ねられる引き出しタイプの収納ボックス(奥行きが押し入れの半分以下)にキャスターを付けるなどし、奥と手前に分け、手前に春夏物、奥に秋冬物と決めておくと、衣替えはシーズンごとに前後を入れ替えるだけで済みます。

 

 

 

お悩み❷ おもちゃの収納

Q.長男(4歳)がおもちゃを元の場所に戻してくれず、部屋が散らかったままです。

A.またすぐ遊ぶからと出したままにするのではなく、おもちゃを元の場所に戻したくなるような工夫や声掛けをしましょう。かごなどに入れる物も、ジッパー付きの袋や巾着に分けて入れておくと、次に使うときに出しやすく、物を紛失することもなくなります。使い勝手の良さを実感すると、子どもはおもちゃを元に戻すことの大切さに気付き、物を大切にする気持ちが芽生えます。

 

木の箱は積み木専用なのに、子どもに任せると違う物が入れられています。いらないおもちゃを処分し、子どもと一緒に物の住所を決めたら片付けしやすくなりました。

 

おもちゃは使用目的に合わせて分類しよう

お人形遊びセットのかご、電車遊び用のかごなど、遊びごとに使う物をひとまとめにしておくと、そのかごを持って行くだけで目的に応じた遊びができます。お人形遊びに使うような細かいものは、100円ショップなどにある小分けボックスを活用して、さらに細かく分けましょう。

 

ラベル作り ママやパパが絵を描いて、子どもが色付けをした絵をラベルにします。はがきサイズの紙を用意し、ぬいぐるみやブロックなど中に入れる物の絵を親が描き、その絵に子どもが色を塗ってラベルにすると、「ママやパパと作った思い出」が記憶に残っているので、喜んでお片付けしてくれるようになります。親子で一緒に“片付け大会” 遊びの終わり時間を「あと10分したら片付け大会やるよ!」と楽しく予告し、10分たったら片付けをするというルールにしておくのもいいでしょう。「この車はどこに置く?」などと子どもと一緒に置き場所を考えながら片付けるようにすると、物の住所を決められるようになります。

 

 

 

 

 

物を大切にする気持ちが芽生えます

 

 

片付け習慣が身に付く年齢別アプローチ法 親が「片付けて」と言うだけでは、子どもは片付けられるようにはなりません。発達段階に応じて、子どもができることから始めましょう。2歳 物の役割や場所が少しずつ分かるようになってきます。「おむつを持ってきて」「好きな絵本を持ってきて」など、定位置から指定したものを持ってくることで、物に住所があることを認識させましょう。3歳 物の仲間分けができるようになってきます。おままごとグッズなどで遊んだ後、食べ物や食器、調理道具などの分類を尋ねる声掛けをしてみましょう。遊び感覚で物の分類を学べます。 4歳〜5歳 自分の物を認識できるようになってきます。靴を脱いだら、靴箱の決められた位置にしまう、幼稚園バッグなどを定位置に戻すなど、自分でできることを見つけ、できる喜びを経験させましょう。自分でやりたい気持ちが芽生えたら 子ども専用の引き出しを決め、その中を仕分ける箱を作ってみましょう。鉛筆やはさみ、消しゴムなど小学生になったら必要になる物をどの箱にしまうか、自分で考えて決めてみるのも楽しいですね。箱からはみ出したら量が多過ぎる、取り出しにくくなるなど、スペースに対する適正量を学ぶことができます。芹川さんおすすめの収納グッズを紹介します。持ち手付きファイルボックス 連絡ノートや書類など通園に必要な物をまとめておくのに便利。体温計など小さな物は仕切りポケット(別売)を活用して。ポリプロピレン持ち手付きファイルボックス・
スタンダードタイプホワイトグレー/990円無印良品イオンモール熊本096(235)4711 ファスナー付きWポケットポーチ バラバラになりがちなメモ帳やシールを、種類別にまとめて収納できます。WファスナービニールネットケースA5/各110円DAISO https://www.daiso-sangyo.co.jp/