らしく
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自分らしく働く。自分らしく暮らす。様々な職業、暮らし、生き方を選んだママパパの日常を紹介します。

秋永琴実さん(カフェオーナー)

2022.01.20

「おいしい」と喜ぶ家族の笑顔が原点
食を囲みホッとする時間を提供したい

 

働くパパママの姿をリポートする、「らしく」。2人の子どもを育てながら長年の夢だったカフェをオープンした秋永琴実さんを紹介します。あきなが・ことみさん(31)阿蘇市出身。短期大学卒業後、病院や学校で栄養士として勤務。2013年、圭介さん(37)との結婚を機に益城町へ。パート勤務を経て、20年11月、益城町にカフェ「ペフメア」オープン。2世帯住居で義理の祖父と両親、夫、築くん(7)、花和ちゃん(4)との7人暮らし。

 

 

 

 

食を通して喜んでもらいたい

みずみずしい野菜たっぷりのサラダに温かいスープ。上益城郡益城町にある『ペフメア』は、「心から癒やされる場所をつくりたい」と琴実さんが一人で切り盛りするカフェです。アンティーク調のインテリアでしつらえられた店内で、県産食材を中心としたサンドイッチや飲み物、デザートなどを楽しめます。

阿蘇の農家で育った琴実さん。仕事で帰りの遅い両親のために、小学校低学年から夕食を作っていました。「母がおいしいと喜んでくれるのがうれしくて。料理の時間が楽しみでした」。食を通して家族が笑顔になる。この経験が「カフェを開きたい」という思いを強くしました。

一時は、周囲の「飲食店は客単価が低いし、経営が厳しいよ」といった声から、栄養士として学校や病院で働く道を選びましたが、やりたかった料理をする機会は、ほとんどなかったといいます。20代前半だった当時、「30歳ごろまでにカフェを開きたい」と思いを新たにし、勤めながらカフェ用の食器などをコツコツと集め始めました。

 

 

 

 

 

家族で食事を囲めれば大丈夫

結婚や第1子出産後もカフェへの夢を持ち続けた琴実さん。開業に対しては、夫の圭介さんや義父母も本当に経営していけるのか心配していましたが、「絶対にお店を開く」と言い切る琴実さんを次第に応援するように。熊本地震で全壊した益城町の自宅を建て直すことを機に、同じ敷地に店舗も構えることにしました。その間、長女を出産し、子育てしながら準備に約3年間をかけ、2020年11月に念願のカフェをオープン。「好きな料理ができるこの仕事は、自分にとって天職。お客さんが実際に店を行き来する様子を見て、今では家族も喜んでいます」とにっこり。

一方、プライベートでは2人の子育て真っただ中。「子どもが帰ってきた後も、買い出しに行くなど、家事とカフェの仕込みに追われる日々。子どもの面倒を見てくれる夫と義父母の支えがあり、やっていけていますが、子どもと一緒に過ごす時間が少なく、落ち込む日もあります」。そこで琴実さんが大切にしているのが、家族と温かい食事を囲む時間です。「子どもがもりもり食べてくれると、作りがいがあります。全部は頑張れないし、手の込んだ料理を毎日は作れません。でも家族で楽しく料理を食べていれば大丈夫って思えるんです」と力を込めます。そんな母親の姿を見て、築くんも料理に興味を持ち、一緒に調理台に立つこともあるそう。次なるひそかな夢は「いつか家族でカフェに立ちたい」。そんな思いを胸に、琴実さんは今日も「おいしい」と喜んでくれるお客さんのために、調理台へ向かいます。

 

 

圭介さんは、琴実さんにとって「優しさの塊のような人」。休日は家族そろって自然の中で過ごすことが多いそう

 

 

琴実さんと同じように2歳ごろから、お菓子や料理作りに興味を持ち、挑戦している築くん

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