10年ぶりの赤ちゃんの誕生は、私にとって貴重な経験を与えてくれる。
その一つが家事。出産前後は、入院や育児に大忙しな妻に代わり、私が全ての家事をやってみることにしたのだ。洗濯機の使い方なども知らず、電源を入れるところから一つ一つ勉強し、なんとか使いこなせるようになった。
しかし、一番の難関は、長女のお弁当作り。初日は、「長女は肉が好きだから」と、とりあえずおかずに肉、そして、肉入りのチャーハンを詰めた。長女は「おいしかった」と言ってくれたが、茶一色の弁当に、なんだか申し訳なくなった私は、ネットでお弁当のレシピをあれこれ検索。彩りは完璧になったが、既に家にある食材や調味料まで重複して買ってしまい、よく反省した。
それが今や、前日に冷蔵庫にある食材をチェックすることから始めるようになった。なんなら、冷蔵庫の食材を使って調理できるまでに成長し、以前は1時間かけて作っていたのが30分で完成! 長女の「お父さん、おいしかったよ」の言葉に調子に乗って、弁当作りが楽しみになっている。
原田佳英さん(41)
熊本市内で写真館を経営。長女・かなちゃん(15)、長男・よっくん(13)、次男・はるくん(10)、次女・かすみちゃん(1)と妻(43)の6人家族。