子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.10「Yell つながるカフェ」

2020.11.11

 

活動内容を模索しながら
持続可能な子育て支援を

 

育児中、ホッと一息つける
見守りの場

「Yell」は、「子育てが楽しいと思える環境をつくる」をコンセプトに、出張託児や一時預かりの他、子育て支援イベントなどを行う団体として2014年から活動しています。熊本地震後、地域とのつながりや子育て中の人が集える居場所の必要性をより強く感じた代表の髙井眞弓さんが、県内各地の子ども食堂を手伝いながら運営を学び、17年9月に「Yell つながるカフェ」を開設しました。

平日昼の開催で、主に地域の乳幼児連れの父母や高齢者が利用。食事は寄付された食材を使い、好きな物を好きなだけ取れるビュッフェ形式で、親子に好評だとか。さらに、チャイルドマインダー(※)の資格を持つYellのスタッフが、食事を終えた子どもを見守ってくれるので、親はゆっくり食事をしたり、利用者同士で話に花を咲かせたりと、楽しい地域交流の場になっていたようです。

※自宅や訪問先の家庭で、必要な時間だけ保育を行う専門知識を持つ人

 

 

コロナ禍の親子に寄り添い
おもちゃの配布と声掛けを実施

 

新型コロナウイルスの流行により、今年4〜5月の活動は休止。6月からは、髙井さんの自宅で食材を配布するフードパントリーを実施しましたが、本来の目的は、単なる食の提供ではなく、‶食をきっかけに親子の時間をつくること”。そこで、食材とともにスタッフお手製の手作りおもちゃキットを配布し、親子のコミュニケーションに役立ててもらうことにしました。

会場に取りに来られない人には、スタッフが手分けして配達。その際に必ず声を掛け、コロナで大変な思いをしている親の気持ちに寄り添っているそうです。

様子を見ながら活動内容を模索し、10月は予約制にして、軽食の振る舞いも実施。「最初は暗い表情のママが、話しているうちに笑顔になる様子を見ると、やりがいを感じます」とうれしそうに話す髙井さん。しかし、安定して開催できる場所の確保や、寄付された食材の保存が可能な拠点機能が整っておらず、課題もあります。髙井さんは「Yellの拠点を持ち、親子の居場所づくりを続けていきたい」と、決意を新たにしていました。

 

 

 

Yell つながるカフェ※現在は、フードパントリー(食材などの配布)が主な活動 「これから居場所づくりを始める団体の中間支援にも力を入れていきます!」代表 髙井眞弓さん
【地域食堂・こども食堂 すまいる食堂】

主催/Yell
場所/熊本市内 ※詳細はYellのSNSで告知
Instagram /@child.yell
Facebook /「Yell(エール)」
LINE /@ytd0689d
メール /child.yell@gmail.com
☎090(9599)4788

開催日時/原則、第1木曜。11:00~13:00
フードパントリー(午後から配達も実施)
利用条件/どなたでも。無料

「子ども食堂リポート」一覧に戻る
コラムトップへ