子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.4「若葉コミュニ亭」

2019.11.19

 

 

地域の力を生かし、
みんなの「居場所」作りを

 

世代間交流を通しての地域コミュニティーの形成

若葉小学校に隣接するコミュニティセンターの調理室を訪ねると、三角巾とエプロン姿の高齢者たちが、せっせと料理の盛り付けをしている最中でした。そのうち、授業を終えた小学生たちが「卵焼き作る!」と集まり、一層にぎやかな雰囲気に。

 

「若葉コミュニ亭」は、地域の高齢者と子どもたちが「共に作り共に食べる=共食」の活動を行っています。「最初は食事をして帰っていた高齢者が、自発的に調理にも関わるようになりました。いつも和気あいあいと楽しい雰囲気ですよ」と話すのは、運営団体「逢桜(あいら)の里」代表の柿木恵美さん。

 

副代表の西原明優さんは、「若葉校区は熊本市東区内で高齢化が進んでおり、コミュニティーが希薄になっているのを懸念していました。食堂(居場所)を開くことで、高齢者は外出する機会が増え、料理や子どもたちとの世代間交流が生きがいになります」と言います。また子どもたちも、“第3の居場所”で高齢者と会話や料理などをしながら、地域社会との関わりを広げることができ、互いにいい影響を与え合う関係を築いているそうです。

 

「ここではスタッフも含め、他人を否定しないのがルール。みんなの居場所なので、スタッフも楽しめる居場所づくりを心がけています」と柿木さんは話します。

 

次世代型のコミュニティースペースへ

「逢桜の里」は、2016年の熊本地震後に若葉と味噌天神に食堂(居場所)を開設。介護支援専門員や栄養士、弁護士、税理士、住職、教師、デザイナーなど、運営メンバーのスキルを生かし、子ども向けの学びの場を幅広く提供しています。

 

今年12月には、九州電力熊本支社1階に、産(企業)・官(行政、自治体)・学(教育)・民(地域住民)が連携した次世代型の「居場所」を開き、さまざまなスキルを持つ大人と子どもが関わる仕組みを作るそうです。

 

「子どもを中心に、みんなの居場所を作ることで地域の結びつきが強くなり、子どもを取り巻く社会課題や、地域課題の解決策を探る糸口になります。そんな拠点が各校区に1つ作られるのが理想」と話す柿木さん。「産官学民の連携を大切にしながら、さまざまな課題にも包括的に取り組みたい」と力強く語りました。

 

12月、九州電力 「フラットスクエア」 に、ダイニング風の地域交流スペースをオープン

 

【若葉コミュニ亭】

主催/逢桜の里(熊本市中央区大江2-3-22-101・102)
場所/熊本市東区若葉4-23-23(若葉地域コミュニティセンター)
☎080(6405)6176
開催日時/第2・4金曜(15:00~17:00)
利用条件/どなたでも
(子ども無料、高齢者100円以上)予約不要
※ボランティアや寄付も受け付け中

 

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