子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.6「西原絆食堂」

2020.03.10

 

 

「子ども食堂」の枠を超え
「地域食堂」「みんなの食堂」へ

 

お互いに思いやりを持つ
穏やかで優しい雰囲気

土曜日の昼前、西原村の森の中の建物に、ポツポツと人が集まりだしました。親子連れが「早めに来たけど大丈夫?」と顔をのぞかせると、代表の上村さんが「いいよ、おいで」と招き入れます。障害者の活動を支援するNPO法人にしはらたんぽぽハウス主催の「西原絆食堂」が開店しました。

 

きっかけは、上村さんがニュースで子ども食堂の取り組みを知ったこと。障害者の就労支援事業所で出していたランチを、貧困家庭の子どもにも提供することから始めました。以降5年間の取り組みの中で「毎週土曜に開催。高校生以下は無料で、誰でも食べられるランチ」といった今の形へと変化しました。

 

現在、多い時には70人が来ることもある西原絆食堂。たんぽぽハウスの利用者も、受け付けや配膳、厨房(ちゅうぼう)のお手伝いをして対応しています。

 

取材した日も急に訪れる人が増え、注文した料理が届くまで時間がかかる場面も見られました。「すみません、お待たせしました」。スタッフが手分けしながら配膳すると、待っていた親子連れは「大丈夫ですよ」と笑顔で受け取り、穏やかで優しい雰囲気が感じられました。

 

 

幅広い立場の人がつながる場

当初は、生活が困窮する子どもへのサポートが目的だったものの、今は「地域食堂」「みんなの食堂」といったイメージに変わってきたと上村さんは言います。

 

その言葉通り、小さい子ども連れの親子や年配夫婦など、訪れる人の年齢層はさまざま。スタッフ側にも、西原中のボランティアクラブ「れんこん」の生徒、ボランティアの大学生など幅広いメンバーが集まっています。

 

「年齢も、子どもがいるかいないかも、障害者も健常者も関係なく、あらゆる人が共に暮らしていることを肌で感じてほしい」と上村さんは願いを込めます。

 

西原絆食堂は、「子ども食堂」という枠を超え、地域の人々の輪を広げる場となっています。

 

 

 

食堂のそばには、自然の中の遊び場「こどものもり」を作っています。利用無料ですよ 代表の上村加代子さんとスタッフの廣瀬るみ子さん

 

【西原絆食堂】

主催/NPO法人にしはらたんぽぽハウス
場所/西原村布田化粧塚852
☎096(279)3666(たんぽぽハウス)
☎096(279)2699(土曜のみ)
開催日時/土曜(11:30〜14:00)
利用条件/どなたでも
(高校生以下無料、大人500円〜)予約不要
※ボランティア・寄付(特に米)を受け付け中

 

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