子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.7「たくとう地域食堂」

2020.05.15


 

登校前に、みんなで食べる朝ご飯
授業への集中力もアップ

 

小学校の敷地内で
朝食の提供を開始

朝7時半を過ぎ、小学校に隣接する「託麻東地域コミュニティセンター」に、小学生が次々と入っていきます。「おはよう! 今日はみそ汁も食べていきなっせ」と明るく迎えるのは、「たくとう地域食堂」代表の山川李好子さんです。

地元の婦人会長を務める山川さん。地域の会合で小中学校の校長から「朝食を食べてこない子どもが増えている」と聞き、2016年に婦人会メンバーと地域食堂を立ち上げ、朝食の提供を開始。地域食堂に関心のある大学生ボランティアも運営を手伝っています。

利用者は毎回40人ほど。教諭や保護者らも一緒に食事を楽しむこともあります。メニューは、ご飯やみそ汁、卵焼き、サラダ、果物など。野菜は完全無農薬、その他の食材もできる限り無添加・無農薬のものを使用。調味料以外は農家やフードバンクから提供されています。

 

 

食堂は「地域貢献の場」
後継者不足の課題も

育ち盛りの子どもたちを思い、栄養バランスの取れた朝食を提供してきた山川さんたち。学校から「食堂を利用した子どもが授業に集中するようになった」との声も。

また、食事の合間には、子どもたちに「早寝・早起き・朝ご飯」や、あいさつの大切さについて話すなど、“子どもを見守り、育てる場”にもなっています。地域の子どもたちとふれあうことがメンバーの活力になっているそうです。

今年3月、新型コロナウイルス感染予防のため食堂を休止したものの、「給食がなく困っている子どもたちを支援したい」と週に1回、100食分の手作り弁当をコミセンで配布。学校からのメールで知った子どもたちが訪れ、「必要とされていることを実感した」と山川さんは言います。

しかし、現在は60代以上のメンバーが運営の中心を担っており、後継者の確保が課題となっています。「地域食堂は、大人が地域貢献できる場。私も、活動を続けることで地域への恩返しをしたい」と山川さん。「行ってきます」と元気よく学校へ向かう子どもたちを、笑顔で見送っていました。

 

「活動継続のため、後継者確保にも力を入れていきます」代表の山川李好子さん

 

【たくとう地域食堂】

主催/託麻東小学校区婦人会
場所/熊本市東区戸島3-15-5(託麻東地域コミュニティセンター)
☎090(2399)5955
開催日時/第2・4木曜7:30~8:20
※春・夏休み期間中は第2・4木曜の11:30~14:00
利用条件/どなたでも
(大人200円※昼食は300円、子ども無料)予約不要

※記事は取材当時のものです。実施状況は主催団体に問い合わせてください。

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