皆さんは買い物した食材はどのように保管していますか? 使うタイミングに合わせて食材の保管場所を変えるように、お金も使いたい時期に合わせて保管場所を変える必要があります。なぜなら、物価の上昇(インフレ)につれて、資産価値が目減りしてしまうからです。
日々の食事のために買う食材を例にして考えてみましょう。
①今日の夕食分は…まな板の上
②明日または2〜3日分は…冷蔵庫の中
③1週間後やそれ以上の場合…冷凍庫で冷凍
④いつ使うか定まっておらず数カ月後の可能性があるもの…保管庫(パントリー)で保管
それぞれの保管場所は違いますよね。実はお金も保管場所は変えなければいけません。
①今日使うお金…財布の中
②1カ月以内に使うお金…普通預金口座
③数年後に使うお金…定期預金口座、個人向け国債など
④10年以上後に使うお金…投資信託、株、債券など
昨年末ぐらいから徐々に、食品や生活消費材の値上がりが始まっています。長期のデフレ状況から脱してインフレ(物価の上昇)の影響が出てきています。
1990年と現在で比較すると、100円で購入していた自動販売機のジュースが今は130円、はがきは41円から63円に値上がりしました。物価の上昇は自然な経済の成長とともにあるべき姿でもあります。
ちなみに、日本の場合は2%の経済成長を目標にしているので2%のインフレはあると考えるのが妥当だと思います。
数カ月後に使う食材をまな板の上に置いていては、腐ってしまいますね。このままインフレ傾向が続く場合、3年後・5年後に使う予定のお金をたんす預金や普通預金にしていると、腐りはしませんが、その価値は下がってしまいます。
それぞれの家庭のライフプラン(人生設計)に基づいた資金計画を作ると、人生の三大資金(教育・住宅・老後)の必要な時期と資金額が分かります。
その資金を準備していくには、入り口となるライフプランの作成はもちろん、実践に至るまで、子どもと一緒に取り組むことが大切です。そうすることでお子さんだけでなく、家族全員が金融リテラシーを身に付けられることでしょう。
2022年度から高校の授業で、資産運用・投資信託の授業が始まります。国も一般NISA、つみたてNISA、iDeCo、企業型確定拠出年金と皆さんの資産形成を応援する税制優遇制度を用意してくれています。漠然とお金の不安を抱えながら生活するよりも、今できることから少しずつ始めていきましょう。
人に魚を与えれば、一日の糧となる。人に魚を捕ることを教えれば、一生食べていくことができるという格言です。「長期・分散・つみたて」の資産形成の原則を守りながら、楽しくお金と向き合っていきましょう。