8月号では、緊急資金の準備を通して貯蓄習慣を身に付けることをお勧めしました。貯蓄習慣が身に付き資金に余裕ができたら、次のステップとして資産を増やす方法を考えてみましょう。今回は近年注目されている資産形成方法の一つ「投資信託」について紹介します。
多くの人が銀行や郵便局などに口座を持っており、そこにお給料が振り込まれますよね。お金を預けると定期的に金額に応じて利子が付きます。お金をためるにはとても便利な仕組みですが、その利率は現在約0.001〜0.002%と超低金利であり、普通預金や定期預金ではお金を増やす目的をほとんど果たせません。
この超低金利時代にどうやってお金を増やしていく(=資産形成する)のかというと、「投資」という方法があります。国債や株などをよく聞きますが、子育て世代には少額から始められる「投資信託」がお勧めです。「投資信託」とは、運用のプロが投資したい人から少しずつ資金を集め、株や債券に投資して、運用で得た収益を投資家に還元する金融商品です。銀行、保険会社、郵便局など、多くの金融機関で購入でき、100円~と少額から始められるものもあります。
1カ所に全額投資するのではなく、投資先を分散することで、業績が悪くなったときのリスクも分散され、安定した収益を期待できます。
近年注目されている、「一般NISA(少額投資非課税制度)」「つみたてNISA」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、運用で増えた利益が非課税になるなど、税制優遇制度もあります。中でも「つみたてNISA」は、月々100円と少額から始められ、投資信託を勉強してみようという初心者には始めやすい金融商品といえるでしょう。とはいえ投資信託も元本保証のある金融商品ではありません。その商品のリターンを期待するだけでなく投資した分が減る場合があるというリスクも十分意識して、取り組みましょう。
私たちは毎日リスクをコントロールしながら生活しています。自転車に最初から乗れる人はいません。近くの公園で少しずつ練習し、交通規則を学び守ることで、安全に乗れるようになります。資産形成も根拠なく恐れることなく一歩踏み出し、少しずつ金融リテラシーを身に付けることから始めていきましょう。
「金融庁NISA特設サイト」は一般NISA・つみたてNISAの情報だけでなく、金融商品による資産形成の原則が楽しく学べるサイトです。