教師を辞め、子育てサロン開業
元中学校教諭の明枝さんは、「親が子どもの食や排せつのお世話を気楽に楽しめるように」と、和水町の自宅で子育てサロン「和く和く」を開いています。
長女・七海さんのおむつ外しで苦労した明枝さんは、長男・弘樹くんが6カ月の頃、おむつではなく、なるべくおまるに排せつする「おむつなし育児」に挑戦。気持ち良さそうに排せつする弘樹くんを見て、「言葉を話せない赤ちゃんも、表情で気持ちがいいことが分かるのがうれしかった」と明枝さん。おむつへの排せつが習慣にならず、外に出す気持ち良さを赤ちゃん自身が感じることで、その後のおむつ外しもスムーズになるそう。
また、子どもの少食や食べむらが気になる時期に読んだ本で知った「丈夫な体をつくるには、ご飯とみそ汁を基本に、飲み物は水かお茶」という昔ながらの食生活を実践したところ、弘樹くんの少食や七海さんの気管支炎が改善され、その効果を実感したそう。
次男の育休復帰後、通常業務に加えて部活の顧問もあり多忙に。3人の子どもを義母に任せっきりになり、仕事と子育てとのバランスが取れずに葛藤していたそうですが、子どもとの時間を優先するため、退職を決意しました。その後、子育てを通して得た知恵を多くの人に知ってほしいと、子育てサロンをスタートさせました。
自分らしい働き方を実現
サロン開業後は、子育て中のママを対象に、おむつなし育児の仕方や、ご飯とみそ汁を基本にした料理の講座を、自宅で月6回程度開催するほか、保育園で講演するなど精力的に活動。自分のペースで活動することで子どもたちと触れ合う時間が増え、心にゆとりが生まれました。何より「早くして」と急かさずに済むのがうれしかったそう。
そんな中、次女の結菜ちゃんを妊娠、出産した明枝さん。自宅サロンで、結菜ちゃんをモデルにおまるの使い方を紹介するなど、親子で「和く和く」を盛り上げているのだとか。
夫の祐樹さんも活動を応援してくれ、「愚痴や悩みを受け止めてくれるから、自分らしくいられます。子どもが寝た後の夫婦の時間が支えです」と明枝さんは話します。
4人の育児で気付いた子育てを楽しむ知恵を「和く和く」に来るママたちに伝え、「子育ての不安が軽くなり、子どもを叱ることが少なくなった」と言われることが、明枝さんのやりがいにつながっています。
「次女と一緒にいながら仕事ができ、上の子に‶お帰り”が言える今の働き方が私には最適です。4人の育児経験を仕事に生かし、一人でも多くのママの助けになりたい」と語る、明枝さんの優しい笑顔が印象的でした。