子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.14 子ども・地域食堂「おうち食堂竹ちゃんち」

2021.07.21

 

妊娠、出産、育児
孤立しがちな母親のよりどころに

 

自宅を開放し、軽食を提供する
子育てサークルからのスタート

「いらっしゃい。待ってたよ」。とびきりの笑顔でお母さんと子どもたちを迎える竹下紀子さん。「ここに来ると実家に来たような感じがするんです」と、熊本市内外から親子連れが集まってきます。

「おうち食堂竹ちゃんち」を主宰する竹下さんは、もともとは産婦人科に勤めていた看護師。長年、出産、育児の現場に立ち会う中で、出産後幸せで満たされているはずのお母さんたちの中に、孤立してしまう人がいることに心を痛めていました。「この人たちの手助けをしたい。それが、生まれてきた子どもの幸せにもつながるはず」と決心し、51歳で退職。2013年に自宅を開放し、軽食を提供する子育てサークルを立ち上げました。「活動後、簡単なものでも昼ごはんまで準備してあると、お母さんたちがゆっくりできるでしょ」と竹下さん。わが子に接するようにお母さんたちの気持ちに寄り添った支援を続けてきました。

地域住民がより気軽に集まれる場にしたいと、子育てサークルから「地域の縁側」と形を変え、16年5月、「おうち食堂竹ちゃんち」をスタートさせました。

 

地域の理解と協力得ながら
子育て支援の輪を、地域づくりの輪へ

コロナ禍の今は、「お母さんたちが子育て関連施設や出産した産婦人科、保健所などに集まり、情報を交換したり、悩みを共有したりする場が少なくなっている」と竹下さん。「出産後の体のケアや子どもの病気、日常の小さな悩みを相談できる場があるだけで、お母さんたちの不安が軽減し心が和み、子どもたちの穏やかな日常につながっている」と感じるそうです。

開催日の午前中はお母さんたち主導でワークショップが行われ、お昼になると竹下さんと地域ボランティアの方の手作りのお弁当を囲み楽しい会食が始まります。中には、お弁当だけ受け取りにくる利用者もいます。また、以前利用者だった子どもが高校生になり、手伝いに来てくれることもあるのだそう。

21年5月からは土曜開催時だけ、駄菓子屋さんをオープン。放課後の子どもたちの新たな居場所づくりも始めています。「この活動を継続していくには、まずは自分が楽しむことが大切。それが少しずつ地域の理解、協力にもつながるはず」と竹下さん。子育て支援の輪が、地域づくりの輪へと広がっていきそうです。

 

 

 

 

子ども・地域食堂「おうち食堂竹ちゃんち」 お昼ごはんまで食べていってね!代表の竹下紀子さん

 

【子ども・地域食堂「おうち食堂竹ちゃんち」】

住所/熊本市南区鳶町2-9-7
☎090(5726)2504

開催日時/毎月第4水・土曜10:00~14:00(食事提供は11:30~13:30)
利用条件/どなたでも(要予約)大人300円、子ども100円
※現在、新型コロナウイルス対策として、弁当配布になっており、会食利用は10人までの制限あり

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