子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.18 「子どもかふぇ ふれあい通り」

2022.03.25

 

 

一人一人の力を合わせて、できる範囲で
食を通し、子どもたちの笑顔を見たい

 

 

共感から広がる支援の輪

「いらっしゃい。外は寒かったでしょ」。子ども食堂に足を運んだ親子に弁当を渡し、優しく話し掛ける「子どもかふぇ ふれあい通り」代表の本田千比呂さん。教職員として小学校に勤める本田さんは、かねて子どもの貧困に心を痛めていました。教育現場では、給食で命をつないでいるような児童も。「手を差し伸べたくても、私が一人一人にご飯を食べさせるわけにはいかない。子どもたちの笑顔のために自分にできることはないか」と思いを巡らせていたといいます。

コロナ禍で、生活困窮者の状況がますます深刻化する中、本田さんは、高校時代からの友人であり、「くりの実カフェ」(熊本市東区江津)オーナーの寺脇重幸さんの「人の役に立ちたい。子ども食堂を立ち上げたい」という声に賛同。県内の農家や企業、同カフェのスタッフなど、たくさんの協力を得て、2020年6月からカフェ内で子ども食堂の活動をスタートさせました。画図小学校、出水南中学校区を中心に、子育て世代や高齢者が月2回の子ども食堂を楽しみに足を運んでいます。

 

 

子どもと向き合う時間を提供

「子どもかふぇ ふれあい通り」では現在、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、対面式の食堂ではなく、弁当の配布を主に行っています。「くりの実カフェ」の厨房スタッフが作る弁当には、県内各地の生産者が提供してくれたカブやレンコンなど、旬の野菜がふんだんに使われ、栄養満点。取材したこの日は、74食分の弁当が用意されていました。

16時を過ぎると、子どもの手を引いた母親が次々とカフェへやってきました。利用者のほとんどが働いている母親。「弁当を配布する中で、仕事と家事・育児の両立に悩む人が多いことに改めて気付かされました。月に何度か晩ご飯の準備から解放されて、子どもと触れ合う時間ができれば」と本田さん。実際に利用者からは「気持ちにゆとりができ、子どもとゆっくり向き合える」などの声が寄せられているそうです。本田さんは「各家庭の経済状況は把握していませんが、生活に困っている家庭へ確実に支援を届けるためにも行政や民生委員さんなどとの連携を強化していきたい」と展望を話してくれました。

 

 

子どもかふぇふれあい通り 代表の本田千比呂さん 困ったことがあったら気軽に頼ってください

 

 

住所/熊本市東区江津2-28-30
開催日時/第2・4火曜 16:00〜20:00
(弁当配布の場合は〜18:00)
※第1・3火曜は近隣の一人暮らしの高齢者へ弁当配布
利用条件/子育て中の家庭と高齢者 要予約
無料
※最新情報はFacebook【子どもかふぇふれあい通り】
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