子ども食堂リポート
子ども食堂リポート
地域の子どもを見守り、育てる

Vol.3「はなえみ食堂」

2019.09.18

 

 

みんなでごはんを食べて、笑って
垣根のない子ども食堂に

 

夕食作りに悩む親のため
平日の夕方に子ども食堂をオープン

地域に住む小学生や子ども連れ、高齢者らがゆっくり食事を楽しむ姿が見られる「はなえみ食堂」。2017年4月から月に1回、益城町にある小規模保育所「なのはな保育園」で開かれています。代表の岩本淳子さんは、同町に家庭的保育室「ひまわり園」も経営し、仕事と育児の両立を頑張る保護者の姿を見てきました。また、自身の子育ての経験も踏まえ、「子どもの心身の健康のためには、親の体が元気であることが大切。時間がない中、夕食作りに苦労している親を少しでも手伝いたい」と、あえて平日の18時から開催しています。

 

食堂で扱う食材は有志から集まったものがほとんど。県内の子ども食堂が参加するネットワーク「Tsudou.net」で、ほかの食堂と食材を分け合うこともあるそうです。

 

降園時間に保育所の職員が「今日、残れますよ」といって、食堂の運営を手伝ったり、食事を終えた親子が皿を洗ったりしてくれるなど、みんなの協力がありがたいと話す岩本さん。「私も含め、一人一人が“できるしこ”の思いで取り組んだ結果、食堂を継続してこられたと思います」

 

利用者同士の交流も生まれる
“もう一つのおうち”

はなえみ食堂では、子育て世代同士で悩みを共有したり、時には思春期の女子同士が“恋バナ”で盛り上がったりする光景もよく見られるようです。「一見、何でもなさそうでも、ごはんを食べているうちに、悩みをポロッと話す人もいます。それを解決することはできませんが、話を聞くことはできます。最後は、スッキリとした表情で『また来月ね!』と帰っていく様子を見ると、うれしくなります」

 

岩本さんが目指すのは「垣根のない子ども食堂」。まだ世間では“子ども食堂=貧困家庭の子どものため”というイメージが根強いですが、「訪れる理由は何でもいい。みんなが集ってごはんを食べながら話せる、“もう一つのおうち”のような場所にしたいです」とほほ笑みます。

 

日の落ちた住宅地の一角、明かりのともった「はなえみ食堂」に明るい笑い声が響いていました。

 

「一人でも、家族でも、気軽に来てください」代表 岩本淳子さん

 

【はなえみ食堂】

主催/ひまわり園・なのはな保育園
場所/上益城郡益城町福富665-11(なのはな保育園内)
☎096(285)1285
開催日時/毎月最終週の水~金曜のいずれか(18:00~20:00)
※今後の日程は「ひまわり・なのはな保育園」のFacebookで確認してください
利用条件/どなたでも(大人300円、高校生以下100円)
予約不要

 

「子ども食堂リポート」一覧に戻る
コラムトップへ