ヨガとの出合いで世界が変わる
幼少期からバレエを始め、大学では舞踊を専攻。もともと安定志向だったという志保子さんは大学卒業後、キャビンアテンダントとして航空会社に勤務し、着実にキャリアを積んでいたそうです。そんな中、体調を崩し、何となく足を運んだスポーツクラブで運命的な出合いをしました。
「もともと『体を動かすと心と体が元気になる』ということを知っていたので軽い気持ちでヨガをやってみたんです。その時にバレエのように見た目の美しさや得点を気にせず、自由に表現できるヨガにすごく癒やされました」
27歳で本格的にヨガを学び始め、世界各地のワークショップに参加。ふと立ち寄った上海の街の活気に魅せられ29歳の時に移住、小さなヨガサロンを8年間営み、現地でカナダ人ヨガ講師のウェイロンさんに出会ったそうです。
「当時は生徒さんにも経済的にも恵まれていましたが、自分たちをもっと高めるために、世界各地でヨガを教えながら世界中を旅するライフスタイルに切り替えました。それまで上海で築いた仕事や家など全て手放したものの、次の目標を定めたことで不安がなくなり、どんな状況でも順応して生きていく強さを得ることができました」
旅の途中、長女のパドマちゃんの妊娠・出産期間は日本に帰国しましたが、産後3カ月後には子連れで旅を再開。親子でハワイ、イタリア、オーストラリアなど4年間で26カ国を回りました。「世界各国でいろんな文化、人種、習慣に触れられたおかげで、長女は『みんな違って当たり前』という感覚が自然と身に付きました。私自身も各国の子育て事情をたくさん見てきて、その中で本当に子どもに必要な情報を取捨選択することで、周りに流されない自分らしい子育てを大切に思えるようになりましたね」と志保子さんはほほ笑みます。
自然の中で実現した
健康的で幸せな暮らし
次女を出産してからは長い旅生活に終止符を打ち、故郷の大牟田市にヨガスタジオをオープン。「自然の中で健康的で幸せな生き方をしたい」と田舎町で暮らしながら、ウェイロンさんと共にヨガを教えています。そんな志保子さんが子育てで大切にしていることは、通信簿で「優」が並ぶことよりも、その子のオンリーワンのものを見つけていくこと。「子どもたちには自分が好きなこと、ワクワクすることを探してほしいです。そして自分の得意なことで社会に貢献できることを見つけてくれたらうれしいですね」と語ってくれました。