今回のテーマ:今春小学生になる子どもが授業に集中できるか心配
小学校入学を控えるわが子に対して「うちの子は、授業に集中できるかな?」と心配する親は多いかもしれません。子どもの集中力や近年の小学校の授業について聞きました。
教えてくれた人
県幼児教育センター幼児教育スーパーバイザー
川野 智子さん
どうしても心配な場合は、入学する小学校へ授業の取り組みなどを聞いてみましょう。
子どもはあらゆる場面で集中力を発揮しています
個人差はありますが、どの子にも一定の集中力はあります。例えば、子どもがお絵描きに一生懸命になり、声を掛けても気付かないといった経験はありませんか。一般的に子どもは興味や関心のあることであれば長い間集中できます。テレビに気を取られて話を聞かない時、大人は「話に集中できていない」と思いがちですが、「テレビに集中できている」のです。
とはいえ、就学前の子どもを見ていると、「毎日45分間×数コマ」の授業中に集中力が続くか心配になりますよね。特に第1子の場合、親自身が数十年前に受けた授業のイメージからそう考えてしまいがちです。
しかし、以前とは異なり、現在は幼稚園・保育所などから小学校への移行がスムーズになるよう小学校の授業の進め方が変わってきました。例えば、授業の始めに絵本を読み聞かせたり童謡を歌ったりする、音楽科と生活科といった異なる教科を組み合わせるなど、子どもの集中力が続く工夫がなされています。
就学前、保護者の皆さんは子どもが何に対して集中力を発揮できるのか、注意深く見て理解してほしいと思います。集中できたら「こんなに頑張れたんだね!」と褒めましょう。その繰り返しによって、子どもの自信や意欲が育ち、他の分野への興味関心も高まります。
小学校入学後のスタートカリキュラムの工夫の一例
座ったままの授業にしない
- 授業の始まりに、絵本の読み聞かせ、簡単な体操などをする
- 「学校たんけん」として、図書室や給食室、校長室などを訪問する
教科の境目をつくらず、異なる教科と融合する
- 生活科で春の自然を観察し、遊んだ体験を、春の様子を表現した歌と関連させながら学習する
安心して過ごすことのできる環境づくり
- 朝の支度、授業の準備を自分でできるよう、目で見て分かる表示をする
- 幼稚園・保育所などで読んでいた絵本やみんなで遊べる積み木などを準備しておく