働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
イチゴ農家とハンドメード作家を兼業しながら、3人の子どもを育てる玉名市の柴原由香里さんを紹介します。
農業と両立 個性あふれるオリジナル雑貨を制作
柴原由香里さんは、玉名市で夫の健太郎さんと義父と共に、愛情を込めてイチゴを育てています。一方で、オリジナルブランド「mujaki」のデザイナーとして水彩画を生地にした雑貨を制作・販売しています。
手作りの楽しさに夢中
由香里さんが描く水彩画のテーマは「思わずクスッと笑える食べ物たち」。ほっこりするようなタルトやパンの絵がバッグやポーチ、スタイに描かれ、見る人を楽しませています。
きっかけは、長男の光希くんにスタイを手作りしたことでした。「小学生の頃から絵を描くことと裁縫が得意でした。出産して久しぶりに、手作りの楽しさを思い出しました」。由香里さんは裁縫に夢中になり、スタイをウェブサイトで販売し始めました。自分の作品が誰かに喜ばれることで、「家事や育児だけでは得られない自信を持てました」と言います。
その後、「自分にしか作れないものを制作したい」と思うようになり、自作の水彩画をウェブサービスでプリントした布で、雑貨作りに挑戦。2020年に「mujaki」を立ち上げました。現在、ウェブサイトで販売している他、九州内のイベントに出店しています。個性あふれる雑貨は口コミで広がり、海外のファンもいるそう。由香里さんは「表現したものが受け入れられ、うれしい」と話します
夫も制作活動をサポート
イチゴの収穫が本格化する12月から5月は、農家の繁忙期。イベント準備が重なるときは、午前4時前に起きて制作をすることもあるそうです。
夫の健太郎さんはそんな由香里さんを支えています。子どもたちを遊びに連れ出してくれるおかげで、由香里さんは集中して制作に取り組むことができ、「夫の理解がとてもありがたい」と言います。
光希くんや悠人くんは、ママの影響なのか絵を描くことが好きで、親子で水彩画を楽しむことも。由香里さんは子どもたちがやりたいことに、できる限り付き合うことを大切にしています。「子どもたちにはいろんなことに挑戦してほしい。たとえ将来仕事につながらなくても、好きなことがあるだけで心が豊かになると思うんです」。
今後は、関東や関西のイベントに出店し、より多くの人に作品を届けるのが目標。「挑戦する私の姿を子どもたちに見せたい」と、目を輝かせました。
起床、制作活動
子どもたち起床、朝食準備
朝食後、光希くんと悠人くんの登校を見送る
大知くんを保育園に送る
自宅1階の作業場で夫、義父と共にイチゴの選別・パック詰め
大地くんのお迎え、夕食準備
お風呂
義父も一緒に夕食
就寝
健太郎さんが絵本を読み聞かせ、家族の大切なコミュニケーションの時間になっています
プロフィル
しばはら・ゆかりさん(35)
熊本市出身。高校卒業後、医療事務として市内の病院に勤務した後、熊本フェリーに就職。2013年、健太郎さん(41)と結婚、長男・光希くん(10)の妊娠を機に同社を退職。飲食店などでパート勤務を経験し、20年、夫の家業である農業に就く。間もなくしてオリジナルブランド「mujaki」を立ち上げる。16年に次男・悠人くん(8)、20年に三男・大知くん(4)を出産。