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歩いて気づく優しい夕暮れ

去年から、長男の幼稚園へのお迎えを車から徒歩に変えてみました。徒歩でのお迎えを始めて間もないころ、幼稚園の近くの公園に山茶花がきれいに咲いていることに気付きました。道すがら改めて観察すると、家々の玄関先にもかわいらしい花々が並んでいます。

長男と一緒に「この赤い花、かわいいね」「見て、このつぼみ、もうすぐ咲くかもよ」と話しながら歩く時間が日課になりました。最近では、自宅に飾った花が開くと、息子がいち早く気付き、「見て見て!」と朝からうれしそうに知らせてくれます。

今も、帰り道によく会うご高齢の女性は「孫家族はみんな遠くに行ってしまったの」と少し寂しそうに話してくれます。ある日は、遠くから私たち親子を見つけて笑顔で近づいてきてくれました。「お元気ですか?」と声を掛けると、なんだか私が地域の“見守り役”のような気持ちになることもありますが、本当は私たち親子こそ地域に見守られているのだと感じます。

子どもに向けられる温かいまなざし、季節を彩る玄関先の花、親子で歩いていると、そっとスピードを落としてくれる車。往復30分の道のりを歩く中で、地域の温かさにたくさん気付くことができました。やわらかな夕暮れがこの先もずっと続きますように―。

今年も山茶花の開花を楽しむことができました。仕事に復帰して、慌ただしい毎日ですが、徒歩でのお迎えが親子の大切な時間になっています。

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