働くパパママの姿をリポートする、「らしく」。
4人の子どもを育てながら、発酵をテーマにした移動販売店を営んでいる月岡のぞみさんを紹介します。
自分自身を満たすことが家族の笑顔につながる
みそ作り教室で知った発酵の魅力
黄色と白のコントラストがかわいいキッチンカーの中から、爽やかな笑顔で出迎えてくれる月岡のぞみさん。自宅前の庭や、県北で週末に開催されるマルシェにキッチンカーで出向き、自然栽培米のこうじで作った甘酒ドリンクや甘酒酵母で焼いたパンとお菓子を販売しています。
発酵食品の魅力にはまったのは、第1子を出産した後に参加した、みそ作り教室がきっかけでした。それまで食には関心がなかったそうですが、自家製みそ作りの手軽さとおいしさに感動。これを機に、塩こうじや甘酒なども作るようになりました。
「発酵調味料を使うと簡単に料理がおいしくなるんです。時短料理や作り置きレシピの幅が広がり、心に余裕が生まれました」。料理の負担が減り、子どもと一緒におやつを作ったりお絵描きをしたり、笑顔で子どもと過ごす時間が増えたそうです。
第4子を妊娠中に開業を決意
「発酵をキーワードに人に喜ばれることをしたい」と考えるようになり、開業を決意したのは第4子の妊娠中でした。「『どうしてそのタイミングで?』とよく聞かれますが、子どもを理由に挑戦することを諦めたくなかったんです」とのぞみさん。「子どもとの時間を大事にしながら、私自身の時間や思いも大切にしたい。自分が満たされると、家族にも優しくできますからね」とほほ笑みます。
開業に向けて準備を始めると、購入したキッチンカーの予期せぬ改装費用が発生。挫折しそうになりましたが、夫に相談して助成金を活用することで乗り切りました。「産前産後は夫が1カ月半の育休を取得。家事・育児をサポートしてくれたおかげで、産後3カ月目には開店することができました」
今年10月で開業1周年。今では学校や幼稚園から帰宅した子どもたちが一緒にお店に立つなど、家族にとっても暮らしの一部になっています。「家族の笑顔に包まれて仕事ができる環境に感謝しながら、これからも私らしく活動を続けていきたいです」
起床、キッチンカーで仕込み開始
朝食、弁当作り、学校見送り
幼稚園へ送迎
キッチンカーの準備、移動
帰宅、幼稚園お迎え
夕食
子どもたちとお風呂
その日の出来事を聞くのが楽しみ
子どもたちを寝かし付け
夫とコーヒータイム
ドラマや映画を一緒に見るなど、夫婦水入らずの時間
就寝
プロフィル
つきおか のぞみさん(34)
玉名郡長洲町出身。有明工業高等専門学校を卒 業後、地元企業に就職。造船会社に転職し、2012年、丈晃(ともあき)さん(36)と結婚。13年に長男・麻人(あさと)くん(9)、17年に長女・麻衣(まい)ちゃん(5)、19年に次女・麻七(まな)ちゃん(3)、21年に次男・麻琴(まこと)ちゃん(1)を出産。第3子の出産後に会社を退職し、約2年の準備期間を経てキッチンカーによる移動販売店「Fermera(ファーメラ)」を昨年10月にオープン。荒尾市を拠点に甘酒ドリンクや天然酵母のパン・焼き菓子を販売している。