働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
スポーツ・ZUMBA(R)インストラクターとして働きながら3人の子どもを育てる平岡佳世子さんを紹介します。
「ZUMBA」通して健康な心身づくりをサポート
スポーツ・ZUMBAインストラクターの平岡佳世子さんはジムや障害者施設などで指導しています。ZUMBAは音楽に合わせ、インストラクターが考えた踊りや振り付けをするエクササイズです。佳世子さんは「最初は下を向いていた人が、踊っているうちに笑顔になるのがうれしい」と目を輝かせます。
第1子妊娠中に被災地支援
佳世子さんは熊本市を中心にフリーのスポーツトレーナーとして活動する中、全国的に広がり始めたZUMBAに興味を持ち、2011年に指導資格を取得しました。結婚の翌年、妊娠に向けて主宰するZUMBAレッスンのみに仕事を絞った矢先、熊本地震が発生。活動場所だった益城町の体育館で発災2カ月後、被災者に足のむくみを解消する運動などを教えて回ったそうです。その時、佳世子さんは長女の優佳ちゃんを妊娠中でしたが、「目の前の人を助けたい」と、無理のない範囲で出産予定日前まで運動指導を続けました。
運動を通して次第に笑顔になる人々を見て、佳世子さんは「『生きていてつらいと思わない心身づくり』を応援したい」と強く思うようになりました。
「多様な人との関わり」大切に
長女を出産して3カ月後、知人から頼まれて障害者施設で指導を始め、障害がある人が楽しめる運動のプログラムを考案しました。参加者が前向きに取り組み、スタッフも含めて施設全体が明るくなるのを感じ、佳世子さんはやりがいを覚えました。
主宰しているZUMBAレッスンでは子育て中ならではの視点も活用。子ども連れで参加できるように託児付きのレッスンを始めた他、産後の尿漏れに悩む母親たちに自身の経験を生かした運動法を教えています。レッスン会場は子育ての悩みや疑問を共有できるコミュニティーにもなっているそうです。
3人の子育てで慌ただしい日々ですが、「子どもにはたくさんの経験をさせ、自信を育てたい」というのが夫婦の思い。休日に家族で公園に出かけたり、夏休みに佳世子さんの仕事場に子どもたちを連れていったりしています。佳世子さんは「自然や多様な人と触れ合う中で、子どもなりに大切なことを感じ取ってほしい」とほほ笑みます。
また、佳世子さんは、障害があっても高齢でも「自分が生きたいように生きられる力を持つ人」を一人でも多く増やすことを目標としています。そのためにも今後は福祉施設で運動指導ができるトレーナーの育成にも注力していくそうです。
起床、朝食・弁当作り
登園・登校準備、洗濯
朝食後、優佳ちゃんと小学校まで歩く
朱凛ちゃんは抱っこして小学校へ。
光希くんは隣に住む義母に見てもらいます
光希くんを幼稚園へ送る
実母に朱凛ちゃんを預け、益城町でレッスン
自宅でのレッスン開始
優佳ちゃん帰宅、夕食準備
光希くんを迎えに行く 優佳ちゃんを体操教室へ送る
夕食、子どもたちとお風呂、片付け
忙しい時間帯に義母が子どもを見に来てくれて助かっているそうです
子どもたちと運動遊び
子どもたちと就寝
プロフィル
ひらおか・かよこさん(41)
熊本市出身。高校卒業後、専門学校でスポーツトレーナーとしてのスキルを習得。社会人になり、フリーランスとしてスポーツクラブや福祉施設、保育園などで運動を指導。2011年、ダンス系エクササイズ「ZUMBA」のインストラクターの資格を取得し、レッスンを開始。14年、邦光さん(45)と結婚。17年に長女・優佳ちゃん(6)、20年に長男・光希くん(3)、23年に次女・朱凛ちゃん(0)を出産。(結婚後の姓は後藤)