働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
タレントとして熊本のテレビやラジオで活動する傍ら、プライベートでは1児のママである加納麻衣さんを紹介します。
タレントの仕事と育児 言葉を大切に心つなぐ
「うまいまいまい、かのうまい!」。加納麻衣さんのグルメ番組の決めぜりふです。明るいリポートを見ていると、こちらも元気になります。
麻衣さんがマスコミを志したきっかけは、甲子園出場校の野球部マネージャーを務める兄がテレビ局の取材を受けたこと。「影で支える存在にも光を当てる仕事に憧れを持ちました」。
そこでアナウンサーを目指すも、夢はかないませんでした。しかし、RKK熊本放送のラジオ番組で地域の話題を伝える「ミミーキャスター」の試験に挑戦し、夢の一歩を踏み出しました。
自分を表現できる仕事を
ミミーキャスター時代は、取材先のアポ取りから中継、編集までこなす日々。「番組制作はリポートだけでなく、多様な過程があると知りました」。
3年後フリーに転身。しかし1人で取材し、編集した素材を局へ渡すプロセスは、ミミーキャスターが行っていたこと。「進歩のない自分が歯がゆかった」と振り返ります。
当時は番組制作もしていたため、勇気を出し「加納麻衣」を前面に出せる仕事のみ選ぶことを決意。その後、レギュラー番組の出演など多くの機会が舞い込みました。
「楽しめる仕事に挑戦することで、新しい自分を築くきっかけとなりました。私の言葉を通して『元気になった』と感想をいただくと心からうれしい」
家族の時間を仕事に生かして
2017年に夫の博一さんと結婚。出産時は一年間、休業しましたが現在は県内外のロケを引き受けています。
「遠方ロケ時の娘の送迎や食事準備などは、夫と両親が協力してくれるので両立できています」。ラジオ番組で家族を話題にしたり、産婦人科の番組に出演したり、結婚生活や子育ては仕事にも生かされています。
育児で大切にしているのは「言葉の力」です。娘の琴葉ちゃんに頭ごなしに「ダメ」と言わず、言葉で理解を促しています。
その結果、琴葉ちゃんは自分の感情を言葉で伝えられる5歳児に成長しているようです。「仕事柄、声のかけ方次第で人との距離感が変わることを実感しています。言葉を交わすことで相手を理解できることを娘に伝えていきたい」。
今後は親としての経験を生かし「親子で楽しめるイベントを企画したい」と目を輝かせます。挑戦し続ける麻衣さんの姿から目が離せません。
起床、洗濯、朝食準備など家事
娘の登園準備、研究のため
ローカル番組(録画)を視聴
娘起床、家族で朝食
登園
ロケのため現場へ。テレビ取材
ロケ終了
娘のお迎え
夕食・晩酌、お風呂
趣味は整理整頓。物を片づけやすいルールづくりが、子育てのストレス軽減につながっています
絵本の読み聞かせ、
寝かしつけ、娘と一緒に就寝
プロフィル
かのう・まいさん(40)
合志市出身。熊本学園大学を卒業後、JR九州の客室乗務員「つばめレディー」として働く。その半年後、RKKラジオのミミーキャスターを受験し合格。2010年にミミーキャスターを卒業し、ローカルタレントに転身。17年に博一さん(42)と結婚。熊本市内で夫と琴葉ちゃん(5)との3人暮らし。