
働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
薬膳教室の主宰をしながら、1児を育てている宮本春奈さんを紹介します。
体質改善の経験を生かし薬膳の魅力を発信
「毎日がハッピーで心地よく、そしてヘルシーでおいしい生活を多くの方と共有したい」。宮本春奈さんは熊本市内のキッチンスタジオやカフェを間借りして、薬膳の料理教室や資格講座を開催しています。
体の内側から整える
春奈さんが中国の伝統医学に基づく薬膳に出合ったのは、東京でアパレルブランドのデザイナーとして働いていた30代半ばの頃。10年近く生理痛やPMS(月経前症候群)といった心身の不調を感じていたため、食生活を見直して体調を改善できないかと考えて、マクロビオティック(玄米菜食を基本とした食事法)や薬膳などの料理教室に参加。「自分の体質や季節に合わせて食材を選び、体の内側から整える薬膳が一番しっくりきました」。その後、春奈さんは、仕事をしながらスクールに通い薬膳フードデザイナーの資格を取得。薬膳のおかげで不調が和らぐことを実感し、「やっぱり体は食べ物でできていると確信した」と言います。
38歳の時、自身の活動の幅を広げるために会社を退社。今後の身の振り方について考えていた時に薬膳フードデザイナーの資格を取得したスクールから認定講師として声がかかり、「地元で薬膳の魅力を伝えたい」と熊本で教室を始めました。生徒は主に20~60代の女性。「『薬膳を取り入れてから体調が良くなった』と生徒さんに喜ばれる時にやりがいを感じます」
家族の時間を丁寧に
教室を始めてすぐに武蔵さんと結婚して水俣に移り、44歳の時に花ちゃんが誕生。産後半年後、仕事を再開したものの花ちゃんのお世話で教室の準備が思うように進まず、「このまま仕事を続けられるのか」と悩んだ時もあったそうです。しかし、武蔵さんが育児を積極的にサポートしてくれたおかげで乗り越えられました。
夫婦が育児をする上で大切にしていることは、子どもの気持ちに共感することと日常の家族時間を丁寧に過ごすこと。「特別なことをしなくても、それだけで娘は満たされているように感じます。娘の喜怒哀楽をしっかり受け止めたいです」
今後の目標は、海の見える場所に自宅兼アトリエを建てること。「料理教室を開いたり、薬膳茶を作ったり、薬膳を通じて人が集える心地いい場所をつくりたい」と目を輝かせます。


朝食を食べさせる
残りの家事、仕事、自分時間
プロフィル
みやもと・はるなさん(46)
熊本市出身、水俣市在住。熊本学園大学を卒業後、東京の「文化服装学院」に進学。2年間、服飾やファッションについて学び、卒業後はアパレルブランドのデザインとブランドPRに携わりながら薬膳について学び始める。38歳で退職、帰熊。薬膳料理教室「Food and Life」認定講師の資格を取得し、薬膳教室「enna kitchen」をスタート。2018年に武蔵さん(45)と結婚。22年、長女・花ちゃん(2)を出産。
