
働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
熊本市内でタイ式マッサージサロン『めだかや。』を営みながら、二児の母として日々奮闘する齊藤友紀さんをご紹介します。
タイ古式マッサージを通して 人の役に立つ喜び
「肩が軽くなった」「気分転換ができた」。熊本市内でタイ古式マッサージサロン『めだかや。』を営んでいる齊藤友紀さんは、このようなお客さんの声に日々やりがいを感じています。
好きなことを仕事に
以前は医療系の会社に勤務していましたが、雇用契約の終了を機に「今までと違うことに挑戦しよう」と退職。知人が営む『諸国家庭料理PAVAO』で働く中、子育てをしながら自分の店を持ち生き生きと働く店主に刺激を受け、「自分の好きな道を選び、生きていきたい」と思うようになりました。
「タイのマッサージ学校で学んでみては」と店主に勧められ、2009年にタイへ。1週間の基礎コースを受け、学びを深めたいという気持ちが自然と芽生えました。帰国後に職業訓練校で本格的に学び、周囲の後押しもあり11年、熊本市中央区にタイ古式マッサージのサロンを開業。「幼い頃、祖父母の肩をもんで喜ばれたことが原点かもしれません。短大で体の仕組みや働きについて幅広く学んだ経験が、今のマッサージの仕事にもつながっています」
家族の支えを力に前へ
現在は夫の仁昭さんの勤務の都合で、同市中央区の店舗で間借営業を続けています。慧くんと璃くんの学校や保育園の送迎、そして家事をこなしながら日中は施術にあたり、夜は月に2~3回『PAVAO』でも働いています。夫も協力的で、食事の準備やお迎え、寝かしつけを分担しながら、互いの時間を尊重し合っています。
マッサージの施術について、友紀さんは「一人一人の体形や健康状態に合わせて寄り添えることがうれしい」と話します。「手が動かしやすくなった」といった利用者の声も大きな喜びです。
昨年の夏には、再びタイへ渡ってマッサージ学校に10日間ほど通いました。「子どもを任せての海外は初めて。でも夫が『行っておいで』と背中を押してくれたおかげで集中して学べました」
自宅では、家族4人で同じ部屋に布団を敷いて寝るのが習慣。夜、友紀さんがストレッチしていると「一緒にやるー」と子どもたちが寄ってきます。疲れている様子を見て、璃くんが「もみますよ、気持ちいいですか」とマッサージをまねてくれることも。
「今は間借だけど、焦らず子どもの成長に合わせて、いつか自分のお店を構えたい」と語る友紀さん。家族と共に、自分らしい暮らしを築いています。


プロフィル
さいとう・ゆきさん(45)
熊本市出身。銀杏学園短期大学で臨床検査技師の資格を取得。化血研(現・KMバイオロジクス)に8年間勤務した後、飲食店勤務を経てタイなどでマッサージ技術を習得。2011年マッサージサロン『めだかや。』を開業した。18年に夫の仁昭さんと結婚。現在、夫と慧くん(6)、璃くん(4)と4人暮らし。
