働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
作曲家として働きながら2人の子どもを育てる鎌田優紀子さんを紹介します。
子育ての喜びを音楽で表現。私生活の充実が曲作りの鍵
やりがいある仕事も産後はセーブ
優しい曲調の「gentage」は、優紀子さんが親として子育ての喜びを表現した曲です。「曲作りは日記を書いているよう。だから曲を世に出す時は少し気恥ずかしいんです」とはにかみます。
大学で作曲を学び、自らの体験や感情を音楽で表現する楽しさを知った優紀子さん。卒業後4年間、音楽講師として福岡県の中高一貫校に勤務する傍ら、作曲活動も続けました。体調不良で退職したのを機に「作曲活動に専念しよう」と、曲を音楽配信サイトにアップロード。すると、全国の企業から作曲の依頼が複数あり本格的に受注制作を始めました。
CM曲の制作も増え「コンマ秒単位で映像と音楽を合わせていくのが面白い」とやりがいを語る優紀子さん。しかし、長男の格くんを出産後、集中力の必要な作曲と子育てとの両立が困難になり、曲の品質を下げないためにも仕事をセーブしました。
最初は仕事が減ることに焦りもありましたが「今はそういう時期」と流れに身を任せたことで、子どもとしっかり向き合えたのだとか。また子育てから得られるさまざまな気付きが優紀子さんの曲作りに生かされています。
チャレンジする背中を見せたい
仕事を再開したのは、次男の新くんが1歳を過ぎてから。締め切りが近くなると子どもが寝た後に仕事の時間を確保します。休日は夫の章さんが毎食の準備や片付け、子どもたちの世話を積極的にやってくれるおかげで、その間に仕事ができるそうです。
格くんと新くんが遊びの中で歌を作り、子どもならではの自由な感性に感心させられることも。音楽が身近にある環境は子どもたちにも良い影響を与えているようです。また、フリーランスという働き方はプライベートの時間を確保しやすく「自分の体験や感情が曲作りにつながるので、私生活を充実させることも大切にしています」と穏やかに笑います。
今後は「AIによる音楽制作が進化していく中で、私も知識をアップデートしてチャレンジする姿を子どもたちに見せたい」と力を込めました。
起床、朝食・弁当作り
登園準備、掃除
章さんを仕事へ見送る
子どもたちと朝食
長男を小学校へ見送り、次男を幼稚園へ送る
自宅に戻り、仕事開始
幼稚園へお迎え
子どもたちを習い事へ送る
帰宅、夕食準備、子どもたちとお風呂
夕食、子どもたちと遊ぶ
子どもたちに読み聞かせ、寝かしつけ
仕事
大好きなテレビゲームを格くんと楽しみ、リフレッシュする日もあるそう
就寝
プロフィル
かまた・ゆきこさん(35)
宮崎県出身。長崎県の大学で音楽を学んだ後、中・高等学校の音楽科講師として働く傍ら作曲・編曲活動を行う。2014年に退職し、本格的に作曲活動をスタート。企業のPVやテレビCMなどの作曲・編曲を手掛ける。10年、章さん(41)と結婚。16年に長男・格(いたる)くん(6)、19年に次男・新(あらた)くん(3)を出産。熊本市在住。(結婚後の姓は西村)