働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
阿蘇郡西原村で子育てをしながら、野菜を使ったバターサンドの製造・販売を手掛ける佐々木雄大さんを紹介します。
特産品使ったスイーツ開発 「地域おこし」妻と共に
子育て環境を考え移住を決意
昨年春、雄玄くんの誕生を機に妻のわかばさんの地元・西原村に移住した雄大さん。「情報が多過ぎる都会で忙しく生活するよりも、自然豊かな土地でゆっくり子育てがしたい」と夫婦で考えたそうです。
転居後は西原村の企業で仕事をしながらも自身の進むべき道を模索。そんな中、わかばさんが地域おこし協力隊を務める西原村観光協会から土産品を開発する話があり、村の特産品であるサツマイモ・シルクスイートを活用したオリジナルスイーツ作りに挑戦しました。
料理人の経験を生かし、たどり着いたのが素材の味となめらかな口溶けを大切にしたバターサンドです。
これを機にシルクスイートの他、ニンジンやカボチャなど熊本の野菜をクリームに使用したグルテンフリーのバターサンドを商品化。今年、2月から県内外で開催されるマルシェに出店し、販売を始めました。
「罪悪感がないスイーツ」「一つで満足感が得られる」と評判も上々です。「自分にしかできないことで人に喜ばれ、同時に妻の活動の後押しもできて日々の充実感が増しました」
カフェ開業に向けて奮闘中
現在は南阿蘇に、バターサンドのほか、ブランチやランチも楽しめるカフェの開業準備を進めている雄大さん。「僕らのように子育てに奮闘しているパパやママが、ゆっくりくつろげる空間をつくりたい」と意気込みます。
一方、初めての子育てでは産後、母親の負担の大きさを痛感。「家事はそれぞれが得意なことをすればいい」と、日々の食事作りは雄大さんが担当しているそうです。「妻の夢は村の森の中に幼稚園を作ること。その夢を結婚や子育てを理由に諦めてほしくない。だから家事や育児も僕にできることは一緒に頑張りたいと思っています」
夫婦が子育てをする上で心掛けていることは、子どもにたくさんの経験をさせること。田んぼを借りて米作りをしたり、マルシェに家族で出向いたりと、雄玄くんがいろいろな人に出会う機会を大切にしています。「人の魅力を感じ取れるようになってくれたらうれしいです」と雄大さん。家族の温かな雰囲気が伝わってきました。
起床
わかばさんと雄玄くんを見送る
出かける前に家事を済ませる
買い出しや新店舗の準備など
帰宅後、庭掃除と夕飯作り
バターサンド製造
わかばさんと雄玄くん帰宅
家族で近所を散歩
1日で一番好きな時間
夕飯
雄玄くんと遊ぶ
仕込み
就寝
プロフィル
ささき・ゆうだいさん(37)
兵庫県出身。神戸市内の飲食店で料理の腕を振るっていた経験を生かし、2022年にオリジナルのスイーツを発案。今年2月から「kinunoya~絹の家~」の屋号で福岡県や熊本県で開催されるマルシェに出店しながら、カフェの開業準備を進めている。21年、わかばさん(27)と結婚。同年に長男・雄玄くん(2)が誕生。阿蘇郡西原村在住。