働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
球磨郡の水上村役場で働き、プライベートでは3人の子どもを育てる椎葉真珠美さんを紹介します。
「水上村で育ってよかった」と思える村づくりに貢献したい
コンビニもない、大きなスーパーもない―。水上村で生活する椎葉真珠美さんは、そんな不便さも「住んでみれば、そう不自由とは感じません」と笑顔を見せます。水上村は、球磨川の水源をはじめ、市房山や湯山温泉などがある自然豊かな癒やしの里。一方で、人口2000人弱と過疎化が進んでいます。
生活に直結する仕事にやりがい
真珠美さんは若い頃、東京や大阪など都心で働くことを夢見ていました。しかし、地元に戻ったのは「恥ずかしい理由ですが、やりたいことが見つからなかったから」。就職活動をしながら次第に「地元に帰りたい」という思いが強くなり、村へのUターンを決意。水上村役場に就職しました。現在は地方創生推進課に所属し、空き家対策や移住・定住促進、観光、企業誘致などに携わっています。「私の仕事は住民の意見を聞きながら事業へ反映することなど。自分の暮らしにも直結する業務が多く、手が抜けない」。仕事柄、県内外の人々と出会う機会が多く、「刺激の多い毎日」と話します。
自然豊かな村で伸び伸び子育て
プライベートでは3人の子育て真っただ中。夫や同居する義理の両親のサポートを得ながら仕事と両立しています。水上村は、高校生まで子どもの医療費がほぼ0円。他にも高校の通学費の補助があるなど、「子育て世帯にとって手厚い支援制度があると実感しています」と真珠美さん。しかし高校や大学進学・就職で村を離れる子どもたちが多いそうです。「そう思うと、子どもと一緒に過ごす時間はあっという間。だからこそ、一日一日を大切にしたい」。真珠美さんは子どもと散歩する時間をつくることも心掛けています。夏は田んぼの周りの用水路で水浴びをしたり、紅葉の時季は落ち葉やどんぐりを拾ったり。「野に放てば、子どもは遊びの達人。村は楽しみのかけらがたくさん散らばっています」と言います。
道を歩けば近隣の人々とあいさつを交わし、四季折々の山の表情を眺める日々。「Uターンして生活を始め、不便さを超えた心の豊かさに気付くことができました」と真珠美さん。「今後も仕事を通して、子どもたちが〝水上村で育って良かった〟と思える村づくりに貢献したい」と力を込めました。
起床、朝食、支度、夕食作り
子どもを保育園へ
出社
保育園のお迎えは義父がしています
帰宅
夕食・風呂
子どものお風呂は夫が担当。家庭では、子どもと動画を見るなど、一緒にいるように心掛けています
就寝
プロフィル
しいば・ますみさん(35)
球磨郡水上村出身。長崎の大学を卒業後、熊本市内で飲食業に携わる。2013年に水上村役場に入庁。総務課などを経て、現在、地方創生推進課に所属。15年に同郷の謙治さん(41)と結婚。義理の父母、晴飛くん(7)、優花ちゃん(5)、歩実ちゃん(3)と7人暮らし。