
子どもと過ごす毎日は、「どうして言うことを聞いてくれないのだろう」「子どもの気持ちが全然分からない」と悩むことも多いのでは。そこで、子どもの性格を理解し、子育てをもっと楽しむためのヒントをお伝えします。





子どものタイプ知り「声掛け」工夫しよう
子どもには生まれ持った性格があり、同じ声掛けでは伝わりにくいことも。子どものタイプとタイプ別の声掛け方法を専門家に聞きました。

自己肯定感アップを
暴れん坊、人見知り、駄々っ子…。子どもには生まれ持った性格があります。パパママは子どもの困った行動に目が行きがちですが、その性格に合わせて接することで子育てがグッと楽になります。子どもは「パパやママが自分を分かってくれる」と感じることで安心し、自己肯定感も育ちます。まずは五つのタイプからお子さんの性格に近いものを見つけてみてください。
教えてくれたのは

キッズコーチング(R)マスターアドバイザー
インスタグラム@yokoyama.32
怒らない指導法を用いたキッズサッカースクールを熊本市内で運営。子どもの自己肯定感アップをテーマにした講演活動もしている。3児のパパで、キャロットスタッフも務めている。
[STEP 1]子どものタイプを知ろう!
子どもの普段の様子や行動と照らし合わせ、最も近いものがその子のタイプです。
Aタイプの特徴
- 人見知りをせずニコニコして
- いることが多い
- 忘れ物が多い
- のんびり行動する
- よく眠る
Bタイプの特徴
- モノマネがうまい
- たくさんしゃべる
- 失敗するとすぐに言い訳をする
- 完璧主義なところがある
Cタイプの特徴
- じっとしていられない
- なんでも自分でやりたがる
- 人の話を聞けないことが多い
- 甘えん坊
Dタイプの特徴
- 大きな音にビクビクする
- 人見知りや場所見知りをする
- お絵描きが上手
- 自分の意見を言えない
Eタイプの特徴
- コツコツ行動できる
- こだわりが強い
- 行動する前から「無理」と言うことが多い
- 人見知りがあり、あまりニコニコしない
[STEP 2]タイプ別コミュニケーションPOINT
※五つのタイプに優劣はありません。また、複数のタイプを併せ持つ子どももいます。その場合は、 それぞれのタイプの説明や声掛け例を参考にしてください。
A.エンジェルタイプ
愛嬌(あいきょう)たっぷりで共感性が高く、誰にでも好かれるタイプ。何かを達成する意欲が低めで自分の意見を言うのが苦手な傾向もあります。また、マイペースで忘れっぽいので、約束事をイラストなどで見える化すると◎。

- 「○○はどうしたい?」
- 子ども自身で考える機会を増やす
- 「ママとお片付け競争しよう」
- 楽しい雰囲気がやる気のもと!
B.テキストタイプ
言葉の習得が早く、大人の言動をまねるのが得意。何がだめなのか、理由をあいまいにせずしっかりと伝えると納得します。完璧主義な傾向があり、失敗するとごまかすこともありますが、言い訳やうそを頭ごなしに叱るのはNG。

- 「牛乳をこぼしちゃったね。何で拭くといいかな?」
- 次に取るべき行動を伝える
- 「お友達にぶつかるから歩こうね」
- 理由をきちんと教える
C.アクティブタイプ
やんちゃでわんぱくな半面、甘えん坊なタイプ。衝動性が強く実験好きなので、危ないことをやろうとする傾向があります。注意するときは子どもの気が散りそうな物や音がない場所に移動すると、話を聞いてくれます。

- 「静かにしようね」
- できるだけ短い言葉(理想は5秒以内)で伝える
- 「○○を頑張れたね!」
- 結果ではなく、過程を褒める
D.デリケートタイプ
感受性豊かで傷つきやすく、人見知りが激しいのが特徴です。このタイプが「嫌だ」と主張するのは、環境の変化に不安を感じていることがほとんど。その子自身が納得できるまで、急かさずに付き合いましょう。

- 「○○が嫌だったんだね」
- 子どもの嫌な気持ちを受け入れる
- 感覚が敏感なので、優しい声のトーンで話すのもポイント
E.ネガティブタイプ
知的能力が高くて集中力があります。楽しい感情が表情に出にくいので、周りから「機嫌が悪い?」と勘違いされることも。一度駄々をこねるとなかなか治まらないため、「まだ遊びたいね」など気持ちに寄り添うことが大切です。

- 「今日は楽しかった?」
- 子どもの気持ちや感情に問い掛ける
- 「どうすれば頑張れそう?」
- 困難な場面でポジティブな声掛けをする
[ACTION]キャロットスタッフが実践!
橙真くんはエンジェルタイプ

「急かさず褒める」 お互いの心に余裕
食事中、有働さんはマイペースな橙真くんに「早く食べて」と促しつつ、このまま見守るべきか悩んでいました。そこで橙真くんのタイプに合わせ、「橙真が元気でママはうれしいな」と褒めることを意識。「マイペースさは変わりませんが、子どもの良さを認める余裕ができ、注意が減りました」。
急かされることが減った橙真くんはママの勧めを受け入れて、自分で食べ終える目標時間を決めるように。有働さんは「時間を過ぎても気づかないことが多いですが、良いステップです」と微笑みます。

実践してみて
子どもを褒めることが増えると、自然と私も前向きに考えられるようになりました。これからも否定より肯定する言葉を意識して、物事をポジティブに捉えていきたいです。

エンジェルタイプの子どもは、自分のペースを大切にします。急かすのでなく、肯定的な声掛けに変えたことで、橙真くんが安心し、自発的に行動できるようになったのは大きな一歩です。知育時計の活用もとても良いアイデアです。自分で目標時間を決めることで、時間の感覚を養いながら主体性も育ちます。(横山さん)
結埜ちゃんはテキストタイプ

具体的な言葉掛けで子どもが納得!
「以前は、買い物中や保育園の送迎時に、自由に走り回る結埜を制止するのに必死でした」と言う小西さん。結埜ちゃんがテキストタイプと知り、「ゾウさんみたいにゆっくり歩こう」「車まで手をつないで行こう」など「どうすればいいのか」を伝えることを意識しました。結埜ちゃんはママの話を素直に聞くことが多くなったそうです。
また大人のまねが得意という特徴を踏まえ、ママが失敗したときは「ごめんね」を、何かしてもらったときは「ありがとう」をきちんと伝える姿を、子どもに見せるようにしているそうです。

実践してみて
子どもを頭ごなしに怒らず、どうしてそうなったかを一緒に考え、言葉に表すようになりました。子どもの表情が明るくなり、進んでごみを捨てたり、お片付けしたりと、うれしい変化もありました。

「ゾウのようにゆっくり歩く」など、イメージしやすい言葉で伝えられていますね。結埜ちゃんはまだ2歳ですが、ママの言葉の意味をしっかり理解しています。また、子どもの「見て!」に付き合うのは成功を認めることと同じで、特にテキストタイプの子どもの自信につながります。(横山さん)
わが子に合う習い事選びのポイント

子どもに合う習い事の見つけ方を知りたいです。



その子の性格に合った習い事や教室の環境なら、子どもが楽しめて長続きしやすいと思います。
何でもマイペースに楽しめる。左右の判断が苦手なため、ダンスやピアノなどを習うと自然と鍛えられる。親が一緒に参加できると、より楽しめて◎。
小さな目標を達成できる方がやる気が続く。先生の話を聞いたり、手本をまねたりするのが得意なので、ピアノや工作などの細かい作業にも集中力を発揮できる。
好奇心旺盛なので体を動かす習い事がおすすめ。ただし、長々と話を聞くのは苦手。体操や水泳、サッカーなど、好きなスポーツに夢中になることで集中力が養われる。
きれいな物や音が大好きな芸術家。音楽好きなら、ピアノや歌、物作りが好きなら美術や工作などがおすすめ。味覚が鋭い子は料理教室も◎。
一つのことをコツコツ続けて才能を開花する。やりたくないことは断固拒否しがちなので、いろいろな教室を見学して、子どもがやりたいことを見つけるのが先手。



上記はあくまで一例です。お子さんの「やってみたい」という気持ちも考慮して、習い事選びの参考にしてくださいね!
おすすめ書籍
『「強み」を生み出す育て方』


「わが子の強み」を見極め、伸ばす35の具体的方法を1冊に集約。独自の診断で子どもが生まれながらに持つ「気質5タイプ」「才能5タイプ」を判定。さらに、気質のタイプ別に「学力」の伸ばし方、「習い事」の選び方、「学校」「職業」の選び方までを解説しています。
紙面では紹介しきれなかったタイプ別コミュニケーション実践リポートを、公式インスタグラムにアップしています。