今月のテーマ:医療
近年増えている子どもの花粉症。中でもスギ花粉による発症が多くを占めています。治療法について聞きました。
5歳から始められる 舌下(ぜっか)免疫療法
最近は子どもにもスギ花粉などによる花粉症が増えた印象です。診断には血液検査が必要なため、採血できる5歳ごろからスギ花粉症と診断されるケースが多いようです。
症状は大人と同様、鼻水や目のかゆみなど。薬で症状を抑える方法が一般的ですが、症状が重い場合、体質改善を目指す「免疫療法」があります。
これは、少量のスギ花粉エキスを摂取して体を慣らす治療法です。中でも薬を使うのが「舌下免疫療法」です。5、6歳から投薬が可能で、スギ花粉のシーズンオフとなる6〜11月に治療を開始します。
8割の人の症状が和らぎ、将来症状が出た場合も軽症になる効果が期待できます。
ただし毎日1回、3〜5年間の服用と、毎月1回の受診が推奨されています。また服用前30分間と服用後2時間の運動・入浴は控えるなどの条件があるので、治療への理解を親子で深めることが大切です。
今春、日常生活に支障を来すほどの症状があった場合には、治療の選択肢の一つとして検討してみましょう。
スギ花粉症の対策・治療
症状の重さに従って、対策・治療を行います。
(症状 軽い)
外出時のマスクやメガネ着用、室内や寝具の掃除など。
症状を和らげる点鼻薬・点眼薬などを服用。
体を花粉に慣らし、体質改善を目指す療法。舌下免疫療法もこれに含まれます。
鼻の粘膜を固くしたり、神経を遮断したりして症状を改善。
(症状 重い)
教えてくれた人
熊本東耳鼻咽喉科クリニック
院長 隈元 友紀子さん
スギ花粉だけでなく、ダニアレルギーにも舌下免疫療法を適用できます。