「子どもの食育として家庭菜園を始めたいけれど、スペースがない…」。そんな家庭にお勧めなのがプランター菜園です。今回はキャロットスタッフがプランターでの植え付けにチャレンジしました。子どもの頃から野菜作りを体験するメリットもお伝えします。
30cm四方のスペースで気軽にトライ
「野菜はプランターで十分に育ちます」と話すのは、大型園芸店ナーセリーズの福田祥之さん。苗1株を植え付けるのに最適なプランターのサイズは幅、高さ共に30cmが目安。大きなスペースが必要ないので、ベランダや庭の一角でできるのが魅力の一つです。また、例えばオクラであれば、日当たりや風通しの状態にもよりますが、1回の植え付けで通算100個ほどの収穫ができるというから驚きです。
「子どもが土に触れる機会をつくりたい」と参加した3組のキャロットスタッフも気軽に始められるプランター菜園に興味津々。今回、挑戦したのはハーブのほか、ミニトマトやオクラといった初心者でも育てやすい苗の植え付けです。「5月は夏野菜の種まきや苗の植え付けにぴったりのシーズンです」と福田さん。「野菜が苦手な子どもでも、大切に育てた野菜であれば、愛着が湧くはず。ぜひチャレンジしてください」
教えてくれたのは
大型園芸店ナーセリーズ
店長 福田 祥之 さん
気軽に始められるプランター菜園。
ぜひチャレンジを!
初心者向き この時季におすすめの野菜
- ナス
- オクラ
- ピーマン
- ミニトマト
主な準備物
- プランター35型18L
- スコップ
- 底石5L
- 野菜用の培養土25L(ハーブは花用の培養土と肥料)
- 野菜苗1株(ハーブは各種1株ずつ)
植え付けにチャレンジ
ハーブに鼻を近づけて「いい香り!」と満面の笑みを浮かべる横山すみれちゃん。少しずつ、たくさんの種類が収穫できるハーブの寄せ植えを体験しました。紀和さんは「思った以上に簡単でした」とにっこり。今後は「育てる楽しさを娘と共有したい」と話してくれました。
ハーブの寄せ植え編
キャロットスタッフ
横山紀和さん、すみれちゃん(4)
鉢底の穴の上に鉢底ネットを敷き、底石を穴が見えなくなる程度に薄く敷き詰める。培養土をふわっと入れ、プランターを軽くトントンと地面に打ち付けて、6分目になるまで土を加え、ならす。大さじ1程度の肥料を全体的にふりかけ、軽く混ぜる。
苗を植える位置に深さ5cm程度の穴を掘る。ポットの底をつまむようにして苗を取り出し、穴に植え込む。8分目になるまで土を加える。
2週間後くらいから収穫OK。10月まで収穫可。
POINT
- お茶用や料理用など、用途ごとにまとめて植え付けると、その後が使いやすく便利です。
- 繁殖力の強いローズマリーやミントは寄せ植えに不向きです。
水やりのタイミング
土の表面が乾いたら水やりをする。
ミニトマト編
「娘の野菜嫌い克服になれば」と参加した竹島知世さん。娘の凛ちゃんは土をプランターへ積極的に入れていきます。「水やりさえ気を付ければ、簡単そう。娘は世話好きなので、一緒に野菜の成長を見守りたい」と知世さんは微笑んでいました。
キャロットスタッフ
竹島知世さん、凛ちゃん(2)
底石を鉢の底穴が見えなくなる程度に薄く敷き詰め、野菜専用の培養土(肥料入り)をふわっと入れる。プランターを軽くトントンと地面に打ち付けて、8分目になるまで土を加え、ならす。
中央に深さ5cm程度の穴を掘る。ポットの底をつまむようにして苗を取り出し、穴に植え込む。苗の隙間に土を加える。
実が付き始めたら苗を囲うように長さ約1.8mの支柱を3本垂直に立て、先端部分を中央に寄せて麻ひもで結ぶ。2〜3週間に1回の頻度で肥料を与える。
支柱の上に向かって茎を巻き付けていく。
葉の付け根から出るわき芽を手で取る。
花が付き始めたら、実付きを良くするため、トントンと揺らして受粉させる。
実が赤く熟したら収穫する。10〜11月まで収穫可。
POINT
水をやり過ぎると実がはじけるので注意!
水やりのタイミング
週に2〜3回水やりをし、梅雨明けから1日1回水やりをする。
オクラ編
副島有未さんは娘の彩結実ちゃんが大好きなオクラの栽培にトライ。彩結実ちゃんはプランターに底石や土を入れる作業を、ほとんど1人でこなしました。「こんなにはまるとは思っていませんでした。これを機にいろいろな栽培に挑戦したい」と有未さんは目を輝かせていました。
キャロットスタッフ
副島有未さん、彩結実ちゃん(2)
植え付けの工程は、ミニトマトの(1)~(2)と同じです。
花が咲いたら苗の根を避けて支柱を1本垂直に立てる。茎と支柱を麻ひもでつなげる。
2〜3週間に1回の頻度で肥料を与える。
実が約7cm程度になったら収穫する。10〜11月まで収穫可。
風通しを良くするため、実を収穫した箇所の下1〜2枚の葉を残し、それから下の葉は全て取り除く。
POINT
収穫が1日遅れるだけでも、実が硬くなります。軟らかいうちに収穫しましょう。
※水やりのタイミングはミニトマトと同様
自然に目を向ける機会に
子どもたちへ自然体験を広める活動を行っている「NPO法人コロボックル・プロジェクト」の甲斐原巌(いわお)さんに、野菜作りを経験することのメリットや親の関わり方について教えてもらいました。
NPO法人 コロボックル・プロジェクト
理事長 甲斐原 巌さん
店に並ぶ野菜がどう育ったか知らない人は少なくないでしょう。自分で育てた野菜を調理して、食べるまでの一連の流れを経験できるプランター菜園は、食育に最適です。「コロボックル」でも、農体験を通して子どもが苦手な野菜を少しずつ食べられるようになったという参加者の声が届いています。
プランター菜園は、目の前の野菜を育てるだけでなく、自然へ目を向けるきっかけにもなります。チョウやハチが飛んできたときはその絶好の機会。「なぜ虫は飛んできたのかな」と話題にしてみましょう。また、野菜は種類によって育ち方や形態が全く異なります。「みんな違ってみんな良い」という多様性を伝える題材として活用するのもお勧めです。
「コロボックル」の活動の様子はこちらのFacebookから
https://www.facebook.com/colobokkuru
野菜を元気に育てよう! 家庭菜園おすすめグッズ
野菜を植え付けた後に必要となってくる、お役立ちグッズを紹介します。
天然成分を使用した安心・安全な有機肥料。野菜のうま味アップに大活躍です。
野菜の肥料1.8kg 935円
べじふる1kg 530円
オーガニック栽培(有機JAS規格)に使用できる食品成分からできた殺虫殺菌剤。
ベニカマイルドスプレー
1000mL 968円
肥料の臭いが気になる場合は、液体肥料がお勧め。水で薄めて使用します。
ベジフル液肥
800mL 858円
取材協力/大型園芸店ナーセリーズ
※紹介した商品は同店で取り扱っています
大型園芸店ナーセリーズ
- 所在地
- 開店時間
-
9:00〜19:00
- 駐車場
-
あり
今回、紙面で紹介した野菜の成長記録はキャロット公式Instagramでも紹介します。ぜひ見てね!