サイズアウトが早い子ども服。自分で購入した物をはじめ、おさがりやプレゼントなどで増えて収納に困っていませんか。子ども服の収納術や手放し方を整理収納コンサルタントの松永りえさんに教わりました。
ライフステージごとに整理・収納の見直しを
今回、子ども服の整理・収納に挑戦したのは、キャロットスタッフの山口夏実さん。夫と凛ちゃん(3)、瞬くん(5カ月)との4人で暮らしています。悩みは「きょうだいで性別が異なるのでおさがりがしづらい」「思い入れのある服の処分方法が分からない」「収納が部屋のあちこちにあり、全体像を把握できていない」など。
「サイズアウトが早い子ども服は管理が難しいですよね」と話すのは、整理収納コンサルタントの松永りえさん。しかし、「子ども服も大人の服も整理・収納の基本は同じ。まずは、クローゼットから全部出すことから始めましょう」とアドバイス。その上で必要な物を厳選し、1人分ずつ、アイテムごとに明確に分け、定位置を決めて収納します。
「ファミリー層は、夏前や冬前の衣替えに加え、3人暮らしから4人暮らしになったときなど、ライフステージが変わるごとにクローゼットを見直しましょう」と教えてくれました。
キャロットスタッフ
山口夏実さん凛(りん)ちゃん(3)
教えてくれたのは
インスタフォロワー7万人超!
整理収納コンサルタント
松永りえさん
仕事、家事、育児に追われる中、暮らしの基盤を整えることが豊かな生活につながると気付き、整理収納コンサルタントとして独立。著書は3冊。ブログ「良品生活」やインスタグラム@ mujikko_rieで収納や時短ワザ、防災情報を発信中。15歳と12歳の母。
山口さんの収納 NG ポイント
- 山口さんと子どもたちの洋服が一つの棚にごちゃ混ぜで、全体量が把握しづらい状況。
- 深型の収納ケースのため、子どもは特に物の出し入れがしづらい。
- 娘の服はサイズアウトしたものと次のシーズンに着るものが同じ衣装ケースにまとめてあり、整理できていない。
- 娘の身長に合わせた収納棚を作ったが、活用できていない。
クローゼット(1)Before
クローゼット(2)Before
[STEP01]クローゼットの中身を全部出す
クローゼットは、今着たい服がさっと取り出せる状態が理想です。面倒でもクローゼットの中身を全部出して、洋服など収納している物の全体量を把握します。
[STEP02]4つに分類し、不用品を手放す
取り出した持ち物を客観的に見て、必要な物かどうかを選んでいきます。その際、次の4つに分類していくと、クローゼットに残す物とそうでない物が整理しやくなります。
(1)現在進行形で着る服(下着や通年着るものも含む)
クローゼットに戻す
(STEP3へ)
(2)次の季節に着る服(シーズンオフ)
収納ケースに入れて来シーズンまで保管する
(3)状態は良いが着ない服
(例)サイズが小さい、子どもがデザインを好まない
きょうだいや知人へ譲る、売る、寄付
(詳しくは「CLOSE UP」へ)
(4)ほかの人に譲ることができない状態の服
(例)色あせ、毛玉だらけ、汚れ、破れなどがある
リメークする、捨てる
[STEP03]残す服をクローゼットへ戻す
洋服の分類が終わったら、残す服を使いやすくクローゼットへしまっていきます。親子のクローゼットは分けるのが理想。子どもが取り出しやすい方法も検討しましょう。
しわが寄りやすい服はハンガーに掛ける
ワンピースなど、畳むとアイロンが必要なものはハンガーに掛けて。また、よく着る服も引き出しに収納すると埋もれてしまうのでハンガーに掛けます。
下着やTシャツなどカジュアルな服は畳んで
しわになりにくい下着やTシャツ、ジーパンなどは畳み、何があるか分かるように立てて収納ケースに並べます。ケースは浅い方が、子どもでも中身が見えやすくて◎。何を入れたか分かるようにラベリングしましょう。
POINT
下着入れ、ハンカチ入れなど、1つのケースに1ジャンルが鉄則。収納ケースが大きい場合は、その中に納まるケースを複数入れて仕分けましょう。
子どもも一緒に整理・収納を
収納を考える際は、子どもにとって重過ぎないか、大き過ぎないか気を付けて。子どもが自分でクローゼットから服を取り出せる年齢であれば、「この場所でいい?」など使い心地を確認しながら収納しましょう。
[完了!]物の場所が一目瞭然!子どもも取り出しやすい収納に
クローゼット(1)(2)共に必要品を見直して、整理しました。クローゼット(1)は子どもが取り出しやすいように深型から浅型の収納ケースに変更。中に何が入っているか分かりやすくなりました。クローゼット(2)は必要な物を厳選した結果、来客用の布団と子どもたちのシーズンオフの収納ケースのみに。すっきりした印象になりました。
クローゼット(1)After
クローゼット(2)After
収納方法を見直した後から、凛ちゃんは自分で下着やシャツ、ハンカチを選ぶようになったそうです
作業を終えて…
今までその場しのぎの収納でしたが、場所を決めて収納し直したことで使いやすくなりそうです。子どもの成長に合わせて、衣替えのたびに見直していこうと思います。
[CLOSE UP]まだ着られる服の上手な手放し方
服の整理で最も時間を要するのは「STEP2」の仕分け作業。状態のよい服を手放すのはちゅうちょしますが、クローゼットには限りがあります。手放すアイデアとポイントを紹介します。
譲る
相手が気持ちよく受け取れる物か状態を見極めて、譲りましょう。無理に押し付けるとトラブルの元になりかねないので、譲る相手に選んでもらうことが大切です。
売る
ブランド品であれば、古着でもリサイクルショップやフリマアプリなどで買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。冬服は冬に、雨具は梅雨の時期になど、売りたい服のシーズンを見極めて出品を。
寄付する
ネットを介して団体などに寄付する方法があります。最近は購入元のアパレルメーカーが回収ボックスを設けているところも。まだ着られる状態かを確認して洗濯してから回収してもらいましょう。
POINT
子どもがある程度物心が付いてきたら、一緒に服を仕分けするのもお勧めです。その際、売る、寄付するなど、不用品の手放し方も伝えて。物を大事にする心を育みます。
環境&家計に優しいおさがりイベント情報
捨てずに必要な人へ譲ることは、エコな取り組み! 環境にも家計にも優しいイベント情報を集めました。
moyaiお下がり服譲渡会
子育てサークル「縁側moyai」では、登録会員を対象に、毎年5月と10月に子ども服の「moyaiお下がり服譲渡会」を開いています。また登録者限定で、子ども服や靴、育児グッズの譲渡も随時、実施しています。登録方法など詳しくは同団体へ。
(問)一般社団法人子育てネットワーク
縁側moyai
メール:engawamoyai@gmail.com
キッズフリマ
子どもが洋服や物に値付けして、販売する「キッズフリマ」が2024年3月23日(土)、ミナテラス(上益城郡益城町)で開催されます。お金や物の大切さを学ぶ絶好の機会。子ども店長の募集内容は公式インスタグラムで年末、発信予定です。
(問)Sakuraki
インスタグラムID:@sakuraki_4ur_life
キャロットスタッフの手放し方idea
- 丈夫な生地はランチョンマットなどにリメークして利活用します。
- (立山 靖子さん)
- 下の子どもがいないため、サイズアウトした服はフリマなどに出して手放すことを徹底しています。
- (村上 友美さん)
- 気に入っていた服は写真撮影して思い出に残してから処分すると踏ん切りがつきます。
- (岩崎 恵理さん)