春からの新生活。文字の習得や生活習慣、通学の安全など考え始めると心配は尽きません。「子どもが文字に興味を持たない」「一人で身支度ができない」といった読者スタッフのリアルな不安をもとに、専門家に話を聞きました。

「好き」「できた」が一歩踏み出す自信に
子どもの成長は十人十色。同じ学年になる子どもでも、月齢や性格、環境などによって、できることも興味の対象も大きく異なります。親の不安や焦りが伝わるとかえって子どもの意欲を低下させてしまいます。子どもが本当に力を発揮するために必要なのは、心の安定です。
まずは「できていること」を認めましょう。心の安定が、新生活への一歩を踏み出す土台になります。小学校は、幼稚園・保育所などからの移行がスムーズになるよう、一人一人の発達や学びに合わせた指導が行われています。困ったときは入学前でも学校に相談を。一緒に考えてくれる心強い味方がいることを、ぜひ知っておいてください。

教えてくれたのは
困ったら学校や自治体に気軽に相談を

川野 智子さん
自立と生活習慣
不安(1)つい手伝い過ぎてしまう。過干渉になっていないか心配

不安(2)朝の身支度がゆっくり。どうすれば、準備が楽しくなる?

不安(3)手先を使う動作が苦手。小学校でうまくできるか不安

アドバイス:「できること」を披露する機会づくりを
園では着替えや配膳など自分のことは自分でできているはず。ボタン留めやリボン結びなど指先を使う経験もしています 。家では「園でどうしているか教えて」と聞き、子どもが自信を持って披露する機会を作ってみてください。今できていることを認めて褒めることが、自立への確かな一歩になります。

登下校の安全
不安(4)登校班がない中での通学路。登下校が心配

アドバイス:親子で歩いて危険を想定
通学路は車から見える景色とは全く違います。子どもの目線では、水たまりや坂道が遊び場に見えることも。晴れた昼間だけでなく、雨の日や薄暗い時間帯にも一緒に歩き、「ここは滑りやすいね」「車が見えにくいね」と声を掛けながら危険箇所を共有しましょう。地域の「こどもひなんの家」の場所や、ハザードマップで避難経路も確認を。信号の渡り方や知らない人への対応も、実際の場面を想定して話し合っておくと安心です。集団登校や地域の見守り活動があれば、積極的に活用しましょう。
学習意欲と社会性
不安(5)文字や数など、興味のないことへの取り組みをどう促す?

不安(6)飽きっぽくて最後までやり遂げられない

不安(7)困ったときに、先生や友達に「助けて」と言えるか不安

アドバイス:「好き」や「楽しい」が学びに
学びの意欲は「好き」から始まります。描いたり作ったりすることが図画工作科に、生き物との触れ合いが生活科や理科の学習にというように、幼児期の体験が小学校の教科につながっていきます。「好きなこと」「やりたいこと」を追求して、園や家庭で「できたね!」と認められた経験は「自分は大丈夫」という揺るぎない自信になります。この自信は「困ったときに人を頼る勇気」につながっていくでしょう。それが学習面でも対人関係でも、一歩踏み出す力になります。

PICK UP!幼児期の学びは小学校の教科につながっています
幼稚園・保育所などでは、国が定める要領・指針などに基づき、小学校につながる大切な力を育んでいます。保護者がこの方針を知っておくことで、子どもの成長の見方や日々の声掛けが変わってくるでしょう。下のリンク先からチェックしてみてください。
幼児期の終わりまでに育ってほしい「10の姿」
幼児期の大切な学びが分かる動画シリーズ
※いずれも文部科学省のサイト
取材を終えて
安心できる環境が意欲を生むこと、入学前に通学路を実際に歩く大切さ、困ったら学校に相談できること。子どもの個性に合わせて寄り添う姿勢を学びました。

学校が身近になるアイデア&グッズ
小学校のイベントに参加
通わせる小学校の夏祭りに足を運びました。幼稚園の友達と「一緒の学校に通うんだ」と確認でき、「小学校は楽しい場所」と思わせることができました。(有働さん)

図鑑で「好き」を深める
子どもが手に取りやすいサイズの図鑑を用意。花屋さんで買った花の名前を自分で調べ、特徴まで音読していました。好奇心から自主的に学ぶ姿を見られてうれしかったです。(山口さん)

絵本で心の準備を
『いちねんせいえほん』(日本図書センター発行)という絵本を息子と何度も読みました。「自分の好きを大事にする」「つらい気持ちは周りに話す」など、気持ちの面もフォローされていて心強かったです。(濱本さん)

散歩しながら学校を下見
家の近くに小学校があるので、小学校が出てくる絵本を読んだ後、散歩ついでに「ここが給食室だよ」「体育館があるよ」と教えました。学校が身近に感じられたようです。(岩崎さん)

登校のサポートを依頼
登校班がない学校のため、近所の小学生に「慣れるまで一緒に登校してほしい」と事前にお願いしました。地域のつながりに助けられています。(細木さん)


