働くパパママの姿をリポートする、「らしく」。
パーソナルトレーナーとして女性に骨盤や姿勢のケアなどを行い、2人の子どもを育てる筑紫紗代さんを紹介します。
ママを笑顔にしたい―。女性の悩みに寄り添った産後ケアを提供
「産後ケア」の重要性を自ら実感
自宅のトレーニングスペースに運動用のマットを準備し、レッスンに来るママを笑顔で迎える紗代さん。1対1でのトレーニングが始まります。
紗代さんを訪ねる女性のほとんどが、腰痛や尿漏れなど産後の不調に悩む母親です。紗代さんも2児を出産後、子宮脱などを患いました。理学療法士として病院にフルタイムで勤務する中、「不調を抱えながらの育児や仕事がつらかった」と振り返ります。その時に受けた産後に特化したピラティスで徐々に体調が回復。心にも余裕ができたそうです。
自らの経験を通して、育児や仕事に励む女性にとって産後ケアが重要だと実感し「自分がママたちをケアする場所をつくろう」。開業準備のため病院を退職し、リハビリ施設にパート勤務。ピラティスインストラクターの免許を取得し、2年前にフリーのパーソナルトレーナーとして始動しました。
家族で過ごす時間にも変化が
フリーで活動を始めると、レッスンの企画運営や事務作業など全てを一人でやっていく大変さに直面しました。そこで夫の光洋さんに相談し、家事や育児の分担を見直して時間を確保。併せて仕事の量をコントロールする大切さにも気付き、家族で過ごす時間をより大事にできるようになったといいます。
「気持ちにゆとりが生まれ、休日に何をするか、今日はどんな服を着るかなど親の考えを押しつけず、子どもの気持ちを聞いて尊重できるようになりました」とほほ笑みます。
相手の話に耳を傾けることは、一人一人に最適なケアを提案する現在の仕事にも必要なこと。「子育てや仕事などについて丁寧に聞き、指導内容を考えます」。体の痛みやゆがみを作る姿勢を正す方法や家事をしながらできる運動のアドバイスなど、日常に取り入れやすい点が子育て世代に好評です。
「産後ケアの大切さを広く伝えるため、県内の産婦人科や企業などでの講演活動も計画しています」。紗代さんの挑戦は続きます。
起床、朝食の準備
子どもたちと朝食
朝食後は、お絵描きなど子どもたちがやりたいことに付き合う
保育園へ送迎
自宅に戻り、レッスン(1時間×3人)
レッスン終了後、PC作業
保育園へお迎え
光洋さんと合流し、公園遊び
公園遊び以外に、家族で外食を楽しむ日もあるそう
帰宅、夕食作り
夕食
子どもたちの入浴中に片付け
子ども部屋で子どもたちにマッサージ
入浴、ストレッチしながらネットサーフィン
就寝
プロフィル
ちくし・さよさん(33)
熊本市出身。リハビリの専門学校を卒業後、理学療法士として病院に勤務。2014年、光洋さん(34)と結婚。16年に長女・藍早ちゃん(6)、18年に次女・桜禾ちゃん(4)を出産。20年からフリーランスのパーソナルトレーナーに。主に出産後の不調に悩む女性たちに指導やアドバイスをしている。