絵本専門店の店主で、子育てにも奮闘中の太一パパが日々感じていることについて書いていきます。
あなたのための居場所づくりを
多くの方にご来店いただいた絵本専門店『絵本屋Hotto』ですが、昨年12月28日をもって閉店いたしました。閉店を発表して「寂しいです」「もっと行きたかった」という温かいお声をいただき、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
絵本屋Hottoは、イベントを多く開催する絵本専門店でした。単なる絵本屋ではなく、子育て世代が交流できる場所にしたいという思いが原点にあります。いつもイベントにお越しいただくお客さまもいらっしゃり、参加者同士で会話が弾む。そんな光景を見かけるたびに、「店を開いてよかった」と思ったものです。
ただ、第3の場所をつくるという思いで営業していましたが、同時に違う考え方も生まれました。「家庭でも仕事でもない第3の場所」が必要ということは、誰かが家庭や仕事で苦しい思いをしているのです。第3の場所を必要としない状態が、一番理想の形なのではないかと思います。
隣にいる方は、家庭や仕事で苦しそうではありませんか? 第3の場所の前に「あなたのための居場所をつくる」ことをそれぞれが意識すれば、絵本屋Hottoのような場所は必要ないでしょう。第3の場所づくりを進めてきたからこそ、そう思います。
それぞれが相手のほっと一息できる場所をつくってほしい。今回で最終回となりますが、このエッセーをお読みくださった方に伝えたい思いです。