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今月のテーマ:医療
嘔吐(おうと)時の水分補給
就学前の子どもによく見られる嘔吐や下痢の症状。脱水症を防ぐ水分補給について聞きました。
まずは5ccから 少量ずつ増やして
これからの時季に増えがちな感染性胃腸炎。子どもが嘔吐や下痢を起こしたら、失った水分を補い、脱水症を予防することが大切です。吐き気を訴える際は、まず衣類を緩め、胸やおなかを楽にして安静にします。吐き気が治まったら水分補給を試みます。ただし、弱った胃腸に負担をかけないよう、本人が飲みたがっても少量ずつ与えるようにしましょう。
乳児はミルクもしくは母乳、幼児は経口補水液など(※下図参照)をティースプーン1杯(5㏄)程度口に含ませます。5分間様子を見て、何もなければまた5㏄程度を与える…を2、3回繰り返します。
その後、再び嘔吐しなければ1回に与える量を子どもの体重に応じて増やします。例えば、体重10㎏の子どもなら10㏄が目安。5分間様子を見て同量を与える…を繰り返して4時間程度、水分を与え続けます。その後は消化しやすいものを食べても問題はないでしょう。
ただし、なかなか水分を飲まない、24時間たっても嘔吐が続くーなど、改善が見られない場合は小児科を受診しましょう。
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教えてくれた人
熊本赤十字病院
小児科医師 二宮 涼さん
脱水症を防ぐためにも、「我慢強く、根気よく、少しずつ」がポイントです。