働くパパママの姿をリポートする「らしく」。
歯科医院の副院長として働きながら、2人の子どもを育てる佐藤美香さんを紹介します。
自分らしく生きる姿を子どもたちに見せたい
第1子出産時に歯科医院を開業
白衣を身にまとい、にこやかに患者と接する佐藤美香さん。大学時代に出会った邦彦さんと『佐藤歯科クリニック』(熊本市中央区上通)を開業し、6年目を迎えます。4月に第2子の麗奈ちゃんを出産し、5月に復職しました。
美香さんは医師の家庭で育ったわけではありませんが、子どもの頃から歯の矯正に通い、歯科医に憧れがあったといいます。大学卒業後は晴れて長崎の歯科医院に勤務し、副院長も務めました。その経験を生かし、第1子の遼くんを出産した年に開業。「歯科医の夫と二人三脚で準備を進めていたため、出産のタイミングでの開業に不安はありませんでした」
美香さんは日本顕微鏡歯科学会の認定医や日本歯周病学会の専門医などの資格を持ち、一般診療のほか、大学病院や歯医者からの紹介で治療に当たることも多いそうです。邦彦さんの「あなたの技術は財産。続けることが、結果的にみんなのためになるんだよ」という言葉を励みに仕事をしています。
子どもとの時間は「量」より「質」
クリニックの経営は順調で、熊本市外のほか県外からの受診も増えています。美香さんの専門は、歯の根管治療。「抜歯をしなければ治らないと諦めていた方の歯を根管治療で残せたときは心からうれしい」と笑顔を見せます。
子育てと両立できている理由について、美香さんは「夫や両親をはじめ周りが協力的で、自分も仕事をしたい気持ちが強いからかな」とにっこり。それでも子どもとの時間が限られることへの葛藤もあるそうです。だからこそ家では、子どもから呼ばれたら家事を後回しにしてでも向き合うほか、できる限り「大好き」と伝えて抱きしめるなど、一緒に過ごす時間を大切にしています。また、夏休み中は、遼くんに病院へ来てもらい、働いている姿を見せることも。遼くんは患者さんとおしゃべりをして、楽しませるのが得意のようです。
最近は子どもが就寝した後の時間を学習に充て、日本歯内療法学会の専門医を取得。「その技術を広く知ってもらい、治療を通して多くの歯を救うことが目標。今後も一生懸命に生きる姿を子どもたちに見せていきたい」と真っすぐな目で話してくれました。
起床、子どもにミルク、朝食準備
朝食
息子を見送り、茶碗洗いや洗濯
生活協同組合へ買い物の手配
ベビーシッターに娘を預ける
出勤
15時~実父がシッターと交代&息子帰宅
退社
帰宅、子どもとお風呂、夕食の準備
息子を習い事へ送迎
夕食、息子と遊ぶ
息子の寝かしつけ
読書や学会発表の準備、食器洗い、洗濯物の仕分けなど家の片付け
就寝
プロフィル
さとう・みかさん(39)
熊本市出身。長崎大学歯学部卒業。長崎市の歯科医院に勤務した後、2016年に同郷の邦彦さん(42)と結婚し帰熊。17年、長男・遼くん(6)出産。同年6月、夫と「佐藤歯科クリニック」を開業した。現在、夫と遼くん、長女・麗奈ちゃん(0)と4人暮らし。